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「1円単位で割り勘とかw」と私を笑った同僚。→後日、彼が経費の1円単位をごまかしクビに【短編小説】

1円単位で割り勘とかwと私を笑った同僚→後日彼が経費の1円単位をごまかしクビに短編小説

 

私の職場の同僚、高橋君は、いつも自分を大きく見せるのが好きな人でした。彼のその性格が、ある飲み会で私に向けられました。

 

「細かくて引くわw」飲み会での嘲笑

部署の飲み会でのこと。お開きの時間になり、私が幹事として会計を計算していました。参加者全員が損も得もしないよう、スマホの計算機で1円単位までしっかり割り勘の金額を出した、その時でした。

「うわ、真面目かよ!1円単位で割り勘とか、細かすぎて女子に引かれるぞw」

高橋君が、わざと周りに聞こえる大きな声で私を笑いものにしたのです。彼はそう言うと、1万円札をテーブルに叩きつけ、「俺、細かいのいいから。お釣りは誰かにあげて」と、太っ腹な自分をアピール。その場の空気は一気に白け、私は顔が熱くなるのを感じました。

 

彼の“太っ腹”の、裏の顔

彼はいつもそうでした。後輩に「奢ってやるよ」と言っては、結局「ちょっと足りないから貸して」と端数を出させたり、ブランド物を見せびらかしたり。彼の「気前の良さ」は、どこか薄っぺらく、信用できないものでした。

そんなある日、社内で一つの噂が流れ始めました。「経理部が、経費申請のチェックをものすごく厳しくしているらしい」と。

そして、事件は起きました。

 

響き渡った、経理部からの“断罪メール”

ある月曜の朝、部署の全員に、部長名義で一通のメールが届きました。 件名は、「社員の懲戒解雇処分について」。

メールを読み進めていくと、そこには信じられない内容が書かれていました。

「社員、高橋〇〇は、長年にわたり交通費や接待交際費の不正請求を繰り返していたことが発覚しました。つきましては、就業規則に基づき、本日付けで懲戒解告といたします」

オフィスは、一瞬で静まり返りました。

後から聞いた話によると、彼は出張のたびに、数百円単位で交通費を水増し請求したり、友人と食事しただけのレシートを「接待費」として申請したり、というセコい不正を繰り返していたそうです。その“1円単位”のごまかしが積もり積もって、ついに経理部の目に留まったのでした。

 

“1円”に笑った男は、“1円”に泣いた

あの飲み会で、私を「1円単位で計算するなんて細かくて引く」と笑った彼。その彼が、会社のお金を“1円単位”でごまかしていたせいで、自分のキャリアを全て失ったのです。

彼の空っぽになったデスクを見ながら、私は静かに思いました。 本当の意味で「細かい」のは、一体どちらだったのでしょうか。 お金にルーズに見せかけて、裏では誰よりもセコい計算をしていた彼の姿を思うと、皮肉な笑いがこみ上げてきました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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