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上司「これ今週中にやって」→どう見ても多すぎる業務量…前任者が残した付箋の忠告を見て絶句【短編小説】
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とんでもない量の仕事
「〇〇さん(私のこと)、ちょっといい?」
上司に呼ばれ、私は小走りでデスクに向かいました。
週の初め、月曜日の朝。
いつもより少し機嫌が良さそうな上司の顔に、ほんの少し嫌な予感がしたのを覚えています。
「これなんだけど」
ドン、と音を立てて私のデスクに置かれたのは、分厚いファイルの山。
見たこともない量の資料でした。
「これ、今週中にやって!全部確認して、データまとめておいて」
「え…?」
思わず声が出ました。
今週中?
今日は月曜日。
金曜日まであと5日。でも、この量。
ざっと見ただけでも、1日や2日で終わるようなものではありません。
どう見ても、普通に考えて2週間はかかる作業量です。
「あの、これ全部ですか? 今週中というのは…」
「うん、よろしく。急ぎだから」
上司はそれだけ言うと、私の返事も聞かずにさっと背を向け、自分の席に戻っていきました。
(どうしよう…。絶対に終わらない…)
自分のデスクに戻り、目の前に積まれたファイルの山を前に途方に暮れました。
私はこの部署に異動してきたばかり。
前任者はすでに退職していて、引き継ぎも十分ではありませんでした。
前任者の残した付箋
(前任の人は、どうやってこれを処理していたんだろう…)
わらにもすがる思いで、前任者が残した引き継ぎ用のキャビネットをごそごそと漁りました。
何か少しでもヒントになるものはないかと、古いマニュアルやノートを必死でめくっていきます。
その時、一番奥の引き出しに、古くなった手帳が挟まっているのが見えました。
おそらく、前任者のものです。
誰かの手帳を勝手に見るのは気が引けましたが、今はそんなことも言っていられません。
パラパラとめくると、最後のページに一枚の黄色い付箋が貼られていました。
そこには、細く、少し震えたような文字で、短い言葉が書かれていました。
「逃げて」
一瞬、息が止まりました。
「逃げて」?
何から?
この業務量から?
それとも、この会社から?
私はその付箋を握りしめたまま、目の前のファイルの山を、そして遠くに見える上司の背中を、ただただ見つめることしかできませんでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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