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俳優と女優の違いとは? なぜ女性も「俳優」と呼ばれるの? 言葉の背景とジェンダー、海外の最新事情を徹底解説

エンタメ業界のリアル:誰が「俳優」と名乗り始めた?

エンタメ業界のリアル誰が俳優と名乗り始めた

 

プロフィールを「俳優」にした著名な女性たち

この呼称変更の流れを牽引しているのは、やはり時代を象徴するトップランナーたちです。

特に、演技派として知られ、国内外の映画祭などで高い評価を得ている女性たちの中には、自身のプロフィールやインタビューで「俳優」という呼称を使ったり、呼ばれることを希望したりしている方が多くいます。

なぜメディアによって呼び方が違うの?(テレビ、雑誌、WEB)

私たちが戸惑う理由の一つに、「メディアによる呼称のブレ」があります。

あるニュースでは「女優の〇〇さん」なのに、別の記事では「俳優の〇〇さん」となっているのはなぜでしょうか。

これは、業界全体が「過渡期」にあるためです。

 

テレビ・新聞などの伝統的なメディア

視聴者層や読者層の年齢層が幅広いことを考慮し、長年の慣習として定着している「女優」という言葉を使い続けているケースがまだ多く見られます。

急激な変化は混乱を招くという判断や、文化としての言葉の歴史を尊重するスタンスもあります。

 

Webメディア・新しい媒体

時代を反映した表現や、本人の意志を尊重する姿勢を重視するため、「俳優」という呼称を積極的に採用しているケースが多いです。

特に若年層向けの媒体や、ジェンダー問題に感度の高い媒体ほど、「俳優」への切り替えが早い傾向にあります。

 

本人の希望を優先するケース

事務所や本人が「俳優」という呼称を希望した場合、その意志を最優先して記事を作成するメディアも増えています。

 

このように、現時点では「正解」が一つに定まっておらず、各メディアがそれぞれの読者層や方針に基づいて判断しているため、呼称の統一が図られていない状態が生まれています。

海外ではどうなってる? ハリウッドと世界のスタンダード

英語圏「Actor(俳優)」と「Actress(女優)」の現在

日本の呼称の変化を考える上で、海外の動向を知ることは不可欠です。英語圏では伝統的に、男性を”Actor”(アクター)、女性を”Actress”(アクトレス)と使い分けてきました。

しかし、この英語圏でも、近年は「Actress」の使用頻度が減少し、「Actor」に統一されつつあります。その背景には、日本語と同じく、女性の演技者に対する性別に基づくステレオタイプや、賃金格差などの構造的な問題への抗議があります。

特にハリウッドでは、著名な女性俳優たちが自ら「Actor」と名乗ることを選ぶ例が増えています。「Actress」という言葉は、しばしばキャリアの若さや容姿に焦点を当てられがちであるのに対し、「Actor」は純粋に技術と実績を評価されるプロフェッショナルな響きを持つため、女性たちが「Actor」を選ぶことで、キャリアの平等性を主張しているのです。

現在では、スピーチやメディアの中でも、性別を問わず「Actor」という表現が一般的になりつつあり、「Actress」は古い、または不必要な区別と見なされる傾向が強まっています

男女の区別を撤廃した、世界の主要な映画祭

呼称の変化を決定づけた具体的な事例として、世界の主要な映画祭が性別による賞の区分を撤廃し始めていることが挙げられます。

最も象徴的なのは、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭です。2021年から、従来の「最優秀男優賞」「最優秀女優賞」という性別による区分を廃止し、「最優秀主演俳優賞」「最優秀助演俳優賞」に統一しました。これは、演技を評価する上で、性別は一切関係ないという強いメッセージであり、世界的なスタンダードになりつつあります。

米MTVムービー&TVアワードなども、性別を問わない「最優秀演技賞」を設けています。演技の質を性別で分けず、すべてを「俳優(Actor)」として一律に評価するというこの流れは、今後、他の国際的な授賞式にも波及していくと考えられています。

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