Q.ドラマ『コード・ブルー』の出演後に本作の撮影に参加されたと伺っています。命を救う側から、救われる側へ役作りをするうえで、特に意識したことや取り組んだことはありますか?
健康的に生きていた医者から末期のガン患者という役にはなったけれど、切り替えというよりは、命に対して向き合う時間がずっと続いているという感覚でした。役を演じるうえで、余命宣告を受けた時の気持ちや様子について、実際に余命宣告された人にお話を伺ったりしました。
痛み苦しむシーンについては、どの程度の痛みなのかを『コード・ブルー』で知り合った医者に訊いたりもしましたね。痛みの様子を聞いたままで表現すると映画としてはどうなのかなど、考えました。観た人に通じない部分があれば、芝居としての表現を考えたり組み立てたりしましたね。
Q.「まさに理想通りの裕二さんだった」と犬童一利監督がおっしゃっていました。監督から裕二を演じるうえで具体的なリクエストはありましたか?
具体的というよりは、「どう撮りたい」「どういう感情の流れを撮りたい」とう感じでしたね。
自分のシーンはベッドの上がほとんどで、その限られたシーンの中で感情のグラデーションを出して、命が消えて行くのかを表現しなければ自分にオファーが来た意味がないと思って。感情の流れを自分がどう汲みとって、監督が欲しいものにしていくかということを意識しました。
Q.今は、日焼けしていてたくましい体つきなので裕二とのギャップがかなりありますが……、次回作の役作りですか? 作品中では、ゲッソリとした姿でしたが、かなり減量もされたのでしょうか?
これは、役作りではなく単なる公園焼けです(笑)。昨日も子供と一日中公園で遊んでいたので。この時期、日焼けは避けられないですよね。
減量は、6キロくらいかな。撮影の2週間前まで『コード・ブルー』だったので、徐々に削いでいって、撮影終了後に一気に食事制限をして、アルコールも絶ってという感じです。鍛えながら減らすことはできない役どころだから、食事制限しかないですよね。
Q.空を見上げるシーンがとても印象的な作品でした。晴れた日、曇りの日、そして夜。裕二も病院の窓から外を見るシーンがありますが、安藤さんの好きな空はどんな空ですか? フォトグラファーとしても活躍されていますが、空の写真を撮ることはありますか?
空って感情的だなって思います。ちょうど娘が生まれたときにも空を撮りました。藍色の空で綺麗だったのをすごく覚えています。名前もそのときの空にちなんでつけました。
人って、何かあるときに空を見て、感情を振り返るんだなと思いましたね。青い空も好きだけど、夕日のグラデーションもすごく好きだし。紫っぽい感じの空の色も好きです。すごい好きだな、空。
Q.フォトグラファー目線ですね。カメラをやる前から、空を見るのは好きでしたか?
小学生の頃は、夕日を見るのが切なかったという思い出があります。両親が働いていたので、弟と二人で留守番をしていたので。