Bunta & Seira

【駆け出しプレスの立ち話】Vol.24 ドラクエ方式?H&Mプレスの採用の裏側をこの人に語ってもらった!

Bunta & Seira

こんにちは!Bun&Seiraです!

今回はスペシャルゲストの回。H&MのPR(プレス)のお仕事について、私たちの大好きなマネージャーであり、2児のママのMakiが寄稿してくれました!
PRになってみたい!普段書き手の私たちについてもっと知りたい!というGlam読者の方は是非最後まで読んでください♪

H&M PR Communication マネージャー 室井 麻希

いつもBuntaとSeiraのコラムを楽しみにしてくださっている皆さま、初めまして!
私はH&MでSeiraとBuntaの所属するPR Communicationという部署のマネージャーをしておりまして、現在第二子の育休中です。
今日はPRという職種に興味のある皆さまに、またはBunta & SeiraがどのようにPRになったかに興味のある皆さまに、私の経験しているチームの採用についてお話したいと思っております。

H&Mでは部署のポジションに空きが出た際には、特別なポジションでない限り、まず社内を探します。H&Mはスウェーデンの会社によくあるValue(価値観)を大事にする会社なので、その価値観やマインドを持っていることが最優先となります。例えばものすごくキレッキレの仕事ができる人でも、カルチャー・フィットが難しいと判断した場合は、まず採用することはありません。代わりに、若干経験不足、不安要素があったとしても、H&Mの価値観に近いものを持っている人は採用されやすい傾向があります。(ポジションにもよりますが)

7 Values

H&Mの7 Values(7つの価値観)

We are one team ひとつのチーム
We believe in people 人を大切にする
Constant improvement 確かな進歩
Straightforward and open-minded 率直かつオープンマインド
Entrepreneurial spirit 起業家精神
Keep it simple いつもシンプルに
Cost-conscious コストコンシャス


社内の面接では、よく「あなたの好きなValueは何ですか?」など聞かれます。
世界70以上の市場でビジネスを展開するH&Mは、文化、宗教、言語が様々な人々が働いており、この共通の価値観が非常に重要なものとなります。また性別、年齢、宗教、学歴などは私たちは採用の際には考慮いたしません。
ここまでがH&Mの採用での大前提となるのですが……。

さてさて、PRのお話に戻ります。

このカルチャー・フィットする人材という前提で、他で私がどこを気にしてきたか。これは採用する人で本当に変わってくると思いますし、ファッションと言えどブランドによって全く異なるので、あくまでもH&Mでのお話となります。
私はすごーくいっぱい見ます(笑)。PRでもポジションによりますが、役職がついていないところは「超ポテンシャル」採用です。ポテンシャルがあれば、環境や経験によって、人はどこまでも伸びていくと私は思います。では、ポテンシャルって何で見てるの?とよく聞かれます。私は非常に感覚的に面接をするので、言語化するのは初めてですが、確実に共通点はあるように思います。

先ず、この人はブランドを体現できるかどうか、という点です。PRは特にそれが重要だと思います。立ち振る舞いなどもあるかもしれませんが、私はメンタリティをより見るようにしています。H&Mは「inclusiveインクルーシヴ」というワードを大事にしています。どなたでもウェルカムという姿勢、受け入れる姿勢が強い人が気になります。それは多様性への価値観にも繋がってきます。7 Valuesにも近いのですが、PRはこの部分を自然に、かつ強く持っている人が合っているのではと思います。

次に、これは採用する方の視点になってしまいますが、チームを見渡した時に同じキャラクター(というか強みを持っている人)がいないかどうか。これは前社のピーチ・ジョン時代に野口美佳さんから学んだチームの作り方です。皆さんはドラゴンクエストというゲームをしたことありますか?実は私は廃人になりそうなくらいRPGが好きだったのですが(子供が生まれてから、ゲームは人生から排除しました。はまりすぎるので。老後に楽しむ予定です)、パーティを作る際に同じ能力を被らせないのと同じです(笑)。あと、自分のこの強みはチームで一番だ、という感覚も大事だと思うのです。おそらくPRチームは個々にそれを認識しながら仕事をしています。特技が違うと、PRの中でより小さなチームを組んだ時に、面白い化学反応が見られることがあります。必殺技のような(笑)。

また、当たり前かもしれないのですが、H&Mの何かが好きであることは重要です。H&Mブランドが好きなのか、ファッションが好きなのか、サステイナビリティへの取り組みに共感するのか、そのパッションは是非持っていて頂きたい。

最後に、こちらも月並みですが、やはり私もチームも「この人と一緒に働きたい」と思うか、そしてこの人がチームに来てくれたことを思い描くとワクワクできるかどうか、です。例えば、イベント前のプレッシャーの高い時期に他の人とどのようなコミュニケーションを取るのだろうか、どうしても実現させたい企画が反対されている時にどんな行動をとるのだろうか、この人は3年後にどのような貢献をしてくれるのだろうか、そんなところを思い描ける人が良いです。できれば多数派の意見に迎合するよりも、ちょっと違った角度の提案をしてくれる人は、H&Mらしいのかな、と思ったりします。

PR チーム

今回このコラムを執筆させて頂いたSeiraとBuntaも、二人ともH&Mのストアで働いていました。偶然にも二人とも大分のストアで働いていました。今ではチームの重要人物でなくてはならない存在にまでなったこの二人の採用秘話!? を語って終わりにしたいと思います。

最初にPRに応募してきたのはBuntaでした。

彼はとにかく強い熱意で、面接に何度も挑戦し、今のポジションをつかみ取りました。
Buntaはウェイウェーイ!というノリの人が多いPRの中で最も冷静な分析官です。彼の存在で多くのプロジェクトが着実に大きな失敗や忘れ物なく、回っているのです(笑)。冷静と情熱のあいだにいる人です。

次にショールームのワークショップに参加したのがSeiraでした。

全国のストアからPR/ショールームに興味のある人を集めて一日ワークショップをするという初の試みに、大分から参加をしました。彼女は終始控えめで、特に目立った発言をするタイプではなかったのですが、そこに集ったPRのメンバーが口をそろえて彼女を採用したい! と言いました。それは私にとっても興味深い経験でした。まさにダイヤの原石を見つけたという感覚でした。

そしてこの2人が、PRチームに加わってすぐに一つの成功例を作ってしまったのです。

その当時、私たちはH&M studioというコレクションを日本でどのようにPRするか、というミーティングをしていました。フレッシュな二人に、アイディアを提案するようにお願いしました。数日後に彼らは、ノルウェー人のダンスユニット、Strawhatzのyoutube動画を見せ、彼らとコラボレーションしたい、と提案してきました。彼らは日本をコンセプトにダンスを創っており、この年のStudioのデザインは日本の伝統にインスパイアされたもの。すごく面白い!と私たちは思ったのですが、日本のローンチは近づいていて動画を創る時間はなさそうでした。すぐさま本国に「良いアイディアがあるのだけど」と連絡したところ、翌日には、彼らをパリで行われたH&M Studioのグローバル・イベントで採用することが決定。二人の若きPRインターンのアイディアが世界へ。このいろんな良いことが詰め込まれた二人の成功ストーリーは一生私の自慢です。クリエイティヴなアイディアがどんどん湧いてくるSeiraの提案をBuntaがうまく形にして提案するスタイルは、今でも続いていますし、プロジェクトをする際に欠かせない二人なのです。

PRという仕事に興味のある方は、少しは参考になったでしょうか。H&Mは単なる一例ですが、そのブランドがどんな人材を必要としているか、そしてそれが自分と合致しているかが大事なのだと思います。もし合致してご縁があった場合、お互いにとってwin winな状況になるのが、採用の成功例なのだと思います。

この記事が、皆さんのキャリアのちょっとしたインスピレーションになれば嬉しいです。

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