Bunta & Seira

【駆け出しプレスの立ち話】Vol.17 真紅&漆黒の空間で塩田千春の25年間を振り返る『塩田千春展:魂がふるえる』に行って来た!

こんにちは! Bunta&Seiraです。

今回は職場の先輩たちが口をそろえて、「行った方が良いよ!」と言っていて、二人とも気になっていた『塩田千春展:魂がふるえる』を観に、六本木まで足を延ばしてみました!

夕方お互いの用事を済ませて向かったのは、六本木ヒルズ森タワーの53階にある森美術館。

受付で学生ですか? と聞かれないかドキドキしていたら、すんなり一般チケットを案内されたので2枚購入。早速エスカレーターに乗ろうとした時……

まだ展示会場にも入っていないのに、既に今回のテーマが伝わってくるようインスタレーションが頭上に。

入る前からワクワクしてしまいます。

展示会場に入ると、塩田千春の25年分の遍歴を辿るように、大小様々に作風も異なる作品たちが「あの部屋」へと誘います。

数多くある展示物の中で、私が特に印象深かった作品がこちら。(SEIRA)

「アフター・ザット」

本人が縫った全長7メートルの泥まみれのドレスを、壁の前に吊り下げ、上部に設置されたシャワーから水が流れ続けるインスタレーションです。

「ドレスは身体の不在を表し、どれだけ洗っても皮膚の記憶は洗い流すことができない」

この言葉がとてもしっくりきて自分の生活にリンクしたんです。

履き古したデニムは何回洗っても自分の身体に合った形のままの反面、買ったときの状態には戻りえない。真っ白だったはずの白Tは黄ばみが取れなくなる時がくるなって。

古着屋の古着屋で買いました! って主張する匂いも、香りビーズを大量にぶち込んでも古着屋のまま。皮膚の記憶ってことだったのか……と。

皮膚の執着心に少し恐怖を感じつつも、新しい角度の洋服の見方を教えて頂いた気がします。

「皮膚からの記憶」

後に「皮膚からの記憶」というタイトルで同じく泥で染まった長さ13メートルのドレスに水が降り注ぐ大規模なインスタレーションを出展。

当時29歳だった塩田千春を日本のアート関係者に強く印象づけるきっかけの作品となったそうです。下に映る人間が米粒に見えますね。写真からも伝わる圧倒的なスケールは是非生で見たかったです。

あまり作品を紹介してしまうとネタバレになってしまいそうなので、この辺りで割愛。

そしていよいよ、お楽しみの「あの部屋」へと吸い込まれるように入ると……

「不確かな旅」

思ったより広い!!

「不確かな旅」

実はこの糸の始まりをよく見ると、こんな小さなホッチキスの芯で固定されていて、その繊細さが緊張感と美しさを感じさせるようでした。

塩田千春いわく、「糸がもつれる、絡まる、切れる、結ばれる、張り詰める、心をあやつる糸は、時として人と人との関係を表す言葉としても使われる」らしく、

この重なり合う糸が面になり、空間となって見えた先にこの作品の真意があるそう。深い。

「静けさの中で」

「静けさの中で」

そしてこちらもやはり圧巻の作品「静けさの中で」。

幼少期に隣家が燃えた時の記憶から創造された作品だそう。

無音の空間のはずなのに、焦げたグランドピアノや並べられた形の異なる椅子、そして張り巡らされた黒毛糸が心をざわつかせます。

「集積-目的地を求めて」

1990年代から現在に至るまでの約100点もの作品が展示されているということもあり、見ごたえは十分!

この後も様々なインスタレーションを観ることができ、それぞれ初めて観るという感動と、単純にすごい! と思える迫力でした。

「塩田千春展:魂がふるえる」は10月27日(日)まで無休で開館しているそうなので、是非行って魂をふるわせてください!

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