Bunta & Seira

【駆け出しプレスの立ち話】Vol.8 初インタビュー! ヴィヴィアン・ウエストウッド 〜最強のエレガンス〜

こんにちは! Bunta&Seiraです!

今回はヴィヴィアン・ウエストウッドのドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・ウエストウッド最強のエレガンス』が12月28日より公開されるということで、試写会へ行ってきました!

(c)Dogwoof

今もなお老若男女問わず愛され、英国パンクの生きる伝説とも言えるブランドを立ち上げたヴィヴィアン・ウェストウッド。この映画を通して、一人の女性、母、そして恋人などさまざまな姿の彼女を見ることが出来ました。知っているようで知らない彼女の軌跡は女性のエンパワメントだけでなく、様々な社会的なメッセージを発信しており、とても力強いドキュメンタリー映画でした。

そして今回は、監督のローナタッカー(Lorna Tucker)に電話インタビューをする機会を頂けることに!

(c)Richard Piercy

ファッショナブルでボブが似合う彼女。今回が初ドキュメンタリー映画という彼女は元モデルというキャリアをお持ちなんだとか。この容姿、雰囲気。納得ですね。
映画監督にインタビューなんて始めてのことでめちゃめちゃ緊張しましたが、彼女に気になったことをぶつけてみました!

──なぜ今ヴィヴィアンを被写体に選び、ドキュメンタリーを制作しようと思ったのですか。

ドキュメンタリーを撮るということは私にとって人を観察することと同じで、世の中の人たちが抱えている事や考え、何が人々をそう振舞わせたり、扇動する動機になるのかを観察したりするのが好きなの。なぜそんな恰好をするのかとかね。
ヴィヴィアンと初めて出会った時、そういったインスピレーションに溢れている彼女に驚愕したわ。当時の私はとにかく貧しくて映画を撮ることも、辞めることも出来ずに不満を抱えていたの。でもヴィヴィアンが教えてくれたのは彼女がいかにして面白い服をデザインし、お金に困っても、批評されても続けてきたかということ。殆どの人たちはどこかであきらめてしまうでしょう? でも彼女は作り続けたの。あと彼女は自然環境に対しての思いも強くて、謙虚。お金に興味がないというところも魅力的だったわ。
私はファッションや彼女の活動だけにフォーカスした映画ではなくて、インスピレーション溢れ、教育になる面白い作品にしたかったの。なぜならそれがヴィヴィアン自身を写していると思うから。

──H&Mでも古着回収ショッピングバッグの紙製化、環境に優しい素材を作ることに投資開発をするなどさまざまな取り組みをしていることから、ヴィヴィアンの活動に非常に共感しました。ローナ自身はこれからのファッション産業はどうなっていくべきであると考えていますか?

ファッション産業は環境や地球の破壊に多大な影響を及ぼしている要因のひとつだと思うの。だからファッションスクールでももっと学生たちに環境に対しての考え方を変えなくてはならないことを教えるべきだと思うわ。
ヴィヴィアン・ウェストウッドよりも巨大なブランドの多くがサステイナビリティなどに対して動き始めているけれど、そういったブランドが変わっていくのってすごく時間がかかるの。でもヴィヴィアンの場合は至るところで倫理的で環境に配慮した意識が浸透しているのよ。
彼女に密着することでより一層意識が高まったわ。実際服は昔よりも品質がいいからあまり買わなくなったし、よく皆「たった一人が気を付けても何も変わらない」とよく耳にするかもしれないけれど、私が始めれば他の人をインスパイア出来る。そうやって意識は広がっていくものなの。そのためには全てのブランドがもっとプレッシャーを感じて変えていく必要があると思うわ。

──ヴィヴィアンの家に日本の掛け軸が壁にかかっているのを見たのだけど、日本について彼女が語っていたり、影響を受けたものはありますか?

(c)Dogwoof

もちろん! ヴィヴィアンは日本のアートや絵画からの影響をたくさん受けているわ。
とくに日本の詩からデザインのインスピレーションを受けていて、私も影響されて読むようになったわ。
ちなみにまだ秘密なんだけどアラーキー(荒木経惟)のドキュメンタリーを撮ろうと思っているの!

──映画の中で若い時のヴィヴィアンが当時のテレビ番組で、彼女のデザインを馬鹿にされているシーンがあり、見ていてすごく辛い気持ちになりました。彼女のブランドのファンのひとりとして、当時の批評に関して思うことはある?

ええ、あのシーンはとても痛々しかったわね。私がもし自身の映画を発表した際にブーイングをされたり、ひどいことを言われたら予想は出来ていても二度と映画を作りたくないと思ってしまうかもしれないわ。映画のシーンでは彼女があからさまに動揺しているのが見て取れたと思うけれど、彼女は長い間それらの屈辱を乗り越えて続けてきたの。それが映画から伝わったらいいわね。

──映画の中でケイト・モスやナオミ・キャンベルにインタビューをしていましたよね。モデルの経験があるローナからして彼女たちはどういう存在なのでしょう。

(c)Dogwoof

彼女たちにインタビューをしたことはこの映画を作る上でとても興味深かったわ。デザイナーの大変な面やクリエイティブサイドのどちらも良く知っているから単なる質疑応答ではなくゴシップネタもたくさん出てくるのよ。まるで友達とおしゃべりしてクスクスしているような、そんな場面を映画の要素にも組み込みたかったの。

──彼女たちがモデルの中でも秀でてるのは何故だと思う?

彼女たちは美しくクールなだけでなくユーモアのセンスもあるの。つまり見た目に伴った中身ね。多分それが写真に映し出されるのよ。モデルは若いうちに美しさを見出されるけど容姿は変わっていくわ。そこで人々が求めるのは内からにじみ出る面白さや人間性だと思うの。だからケイトも70歳になってもきっとモデルとして活躍していると思うわ。

──最後に、ヴィヴィアンを撮る前と後では何か彼女に対するイメージは変わった?

答えは「イエス&ノー」ね。70歳を過ぎた女性が毎日仕事場に現れ、彼女の理想の会社を維持するために働く姿はよりインスパイアされたと言えるわね。普通あれほどのブランドになればブランドを売って、運営を任せることがほとんどだけれど、彼女は本当に毎日来て働いているの。私の歳でも家に帰るころにはくたくたなのに、彼女は76歳でもまだ現役なのよ。だからイメージが変わったことと言えば気難しいファッションデザイナーのイメージからインスピレーション溢れる女性になったということかしら。

──ローナ、本当にインタビューありがとう! 是非、次は日本で会いましょう!

もちろん!ありがとう!

てことでインタビューも無事終わり! ますますヴィヴィアン・ウエストウッドというブランドが好きになった反面、自分たちが表面的でしか知らなかったことを痛感……。とても勉強になりました! ヴィヴィアンについてあまり知らなかった皆さんも知ってる皆さんもきっと彼女のことが好きになる作品。是非チェックしてみてはいがでしょうか!

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』
12月28日(金)より 角川シネマ有楽町、新宿バルト9他全国ロードショー
映画公式サイト

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