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「撮影禁止です」学校行事で無断撮影を繰り返す親。先生が没収した写真を見てその場が凍りつく【短編小説】

響き渡る無神経なシャッター音
今日は、子どもの学芸会でした。体育館は大勢の保護者で埋め尽くされ、子どもたちの晴れ舞台を前に、独特の熱気に包まれています。
開演前、教頭先生から「本日は許可のない撮影・録音は固くお断りいたします」と、はっきりとした口調でアナウンスがありました。最近は色々と難しい問題も多いですし、学校側のその判断は当然のことだと、私も含め多くの保護者が頷いていました。
しかし、劇が始まって間もなくのことです。静まり返った体育館に、カシャ、カシャ、と無機質なシャッター音が響き渡りました。
私の数席前に座っていた一人の保護者が、堂々とスマートフォンを掲げて撮影していたのです。
周りの保護者たちもすぐに気づき、「え、ダメだよね…」とひそひそ声が広がります。近くにいた先生がすぐに駆け寄り、「申し訳ありませんが、撮影はご遠慮ください」と小声で注意しました。
その保護者は一瞬「え?」という顔をしましたが、しぶしぶスマホを下ろします。
ですが、先生が持ち場に戻ったのを見計らったように、その保護者は再びスマホを構えました。今度は動画モードにしたのか、シャッター音はしませんが、レンズは舞台の上だけでなく、明らかに客席の他の子どもたちや、私たち保護者のほうにまで向けられています。
自分の子どもの活躍を撮りたいという気持ちだけでは、到底説明がつかない動きでした。
さすがに見かねた先生が、今度は毅然とした態度でその保護者の元へ向かいました。
先生が没収したスマホの中身
「お父様、何度か申し上げましたが、撮影禁止です。ルールを守っていただけませんので、スマートフォンを一時的にお預かりします」
「なんでですか!うちの子を撮って何が悪いんですか!」
その保護者は少し声を荒らげましたが、先生は「すべてのお子様を守るためのルールです」と一歩も引きません。周りの冷たい視線も集中し、観念したのか、その保護者は不満そうにスマホを先生に手渡しました。
先生は「データを確認させていただきます」と告げ、先生がスマホのアルバムを開きました。そして次の瞬間、先生の顔からサッと血の気が引き、動きが止まったのです。
「これ…は…」
そこに写っていたのは、劇の様子だけではありませんでした。袖で出番を待つ女子生徒たちや、客席にいる他の子たちを、不自然な角度から撮影した写真が何枚も、何枚も保存されていたのです。
「ひっ…」誰かが息を飲む音がしました。あのシャッター音は、子どもたちの頑張りではなく、こんなおぞましい目的のために鳴らされていたなんて。
その場にいた全員が、言葉を失って凍りつきました。その保護者は顔面蒼白のまま、何も言えずにうつむいていました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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