Share
母親「ちょっとくらい平気よ」公園で放置される幼児。心配して声をかけたら、母親が思わぬ一言を【短編小説】

砂場で一人遊ぶ男の子
砂場で、小さな男の子がひとりで遊んでいました。
秋の夕暮れで薄暗くなってきた公園は、住宅街の静けさと相まって、どこか心細い雰囲気に包まれていました。
男の子は4歳ほどで、砂を握ったり小さな山を作ったりしながら遊んでいますが、ときどき不安そうに顔を上げています。
最初は「お母さんがすぐ近くにいるのかな」と思いました。
しかし、公衆トイレの扉は開いていて誰もおらず、ベンチにも大人の姿は見えません。
公園のすぐ横には車通りの多い道路があり、4歳をひとりにさせるにはあまりにも危険です。
私は少し離れて様子を見ることにしました。
5分ほど経つと、男の子は砂遊びをやめて周りをきょろきょろと見渡し始めました。
街灯が灯り始め、公園の影が長く伸び、心細さが増していきます。
これ以上放っておけないと思い、私は男の子のそばへ行きました。
「ボク、ママはどこにいるの?」
男の子が不安げに唇を噛んだその時、背後から声がしました。
「あ、うちの子です。すみませーん」
振り返ると、コンビニの袋を提げ、スマホを操作しながら歩いてくる若い母親がいました。
急いで戻ってきた様子はなく、あくまでのんびりとした足取りです。
私は思わず言ってしまいました。
「ずっとひとりでしたよ。道路もすぐ近くですし、危ないですよ」
母親はスマホから目を離して私を見て、軽い調子で答えました。
「あなたに関係ありますか?ちょっと買い物しただけですよ。すぐ戻るつもりだったんで」
その無頓着さに、胸の奥がざわつきました。
親子が帰ろうとしたら…
その後、母親はスマホをいじりながら、男の子と公園の出口へ向かって歩き出しました。
しかしその瞬間、男の子は、急に出口の方へ駆け出してしまいました。
「待って! 」
母親が叫んだ瞬間、道路の角から車がちょうど曲がってきました。
「危ない!!」
母親は悲鳴のような声を上げて走り、ぎりぎりで男の子の腕をつかみました。
車はキキーッと大きな音を立てて急停止し、運転手も母親も一瞬固まりました。
男の子は転ばず無事でしたが、驚いた目で母親を見上げています。
母親は震える声でつぶやきました。
「ちょっと目を離しただけなのに…」
そのまま男の子の手を両手で包み込むように握り、スマホをバッグにしまい、深く頭を下げて車に会釈しました。
どんなに近所でも、どんなに数分のつもりでも、子どもを守るのは“そばにいること”なのだと、私は静かに胸に刻みながら帰路につきました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
日常の「モヤモヤ」「スカッと」「ゾッと」
体験を教えてください!
\ 体験談の応募フォーム /
※体験談をもとにGLAM編集部で再構成(個人が特定されない形でフィクション化)し、記事化させていただきます。
友だち登録&アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で5名様にプレゼント!
\ 今すぐ応募する /
Feature
特集記事

