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家庭教師に「息子が合格しなかったらクビ」と言う母親。辞めた結果、息子が不登校になったワケ【短編小説】

歪んだ教育ママ
私は家庭教師をしています。
これは、以前担当していた生徒さんのお母様との間で起こった出来事です。
お母様とは、元々子供の習い事が一緒だった「ママ友」でした。
そのご縁で、彼女の息子の家庭教師を依頼されたのです。
しかし、契約を結んだ途端、彼女の態度は豹変しました。
「ママ友でしょ?ついでに夕飯の買い物お願いできる?」
「ウチの子が集中できないのは、部屋の空気が悪いからよ。指導の前に掃除しておいて」
指導時間外の呼び出しは当たり前。時給が発生しない「ママ友価格」の雑用が、雪だるま式に増えていきました。
何より私を悩ませたのは、彼女の過剰なまでの教育方針です。
「まだこんな問題で躓いてるの!?」
指導中にもかかわらず、彼女は隣の部屋から怒鳴り声を上げます。
彼女の息子はいつも母親の顔色を伺い、ビクビクしていました。
彼のノートの端には、いつも小さなロケットの絵が描かれていました。
彼は本当は、宇宙や科学が好きだったのです。
ある日、私は息子さんの興味を引くために、宇宙に関する読み物を教材に取り入れました。
彼の目は、この数ヶ月で一番輝いていました。
しかし、それを見つけたお母様が激怒したのです。
「何これ!?受験に関係ないじゃない!あなた分かってるの?」
「息子さんの自主性を尊重したいんです。今のままでは彼が…」
「うるさい!合格しなかったらクビよ!あなたみたいな無能な家庭教師、代わりはいくらでもいるんだから!」
プツンと、私の中で何かが切れました。
「分かりました。本日付で契約を終了させていただきます」
私はその場で頭を下げ、家を後にしました。
自業自得の結末
それから一ヶ月後。
私の携帯が鳴りました。
嫌な予感がしましたが、応答すると、耳をつんざくような金切り声が響きました。
「どうしてくれるのよ!息子が学校に行かなくなったじゃない!全部あなたのせいよ!」
聞けば、私がいなくなった後、さらに厳しい管理型の家庭教師を雇い、子供のスケジュールを分刻みで管理し始めたそうです。
息子さんにとって、唯一の逃げ場であり、好きな(ロケットの)話ができた私がいない今、彼は母親のプレッシャーに耐えきれず、ついに心を閉ざしてしまったのです。
「責任取って、今すぐ家に来なさい!」
「申し訳ありませんが、契約は終了しております。それよりも今は、息子さんの心のケアを最優先すべきではないですか?」
私は静かに電話を切り、彼女の番号を着信拒否に設定しました。
自分の見栄のために息子を追い詰めた結果が「不登校」。彼女が本当に手に入れたかったものは、一体何だったのでしょうか。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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