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2021.11.03(Wed)

天候の変化でPMSが悪化するのはなぜ? 産婦人科医が解説!

 

最近、台風や大雨などが続いていますが、そうした天候の変化が起きたとき、特に心身の不調を感じていませんか? PMS(月経前症候群)の症状が悪化する人もいるかもしれません。
そこで、今回は、産婦人科医による解説やPMS対策とともに、医師による「不安疲労」という不調対策をご紹介します。

 

1-1.天候が変化するとPMS症状が悪化

多くの女性が、天候が変化するときに、PMS症状が悪化しているようです。

ツムラが2021年7月~8月、生理前に不調がある10代~40代の女性800人に対してPMS(月経前症候群)に関する調査を行ったところ、50.9%と2人に1人が「PMSが重い」と答えました。

PMSの症状がひどくなるシーンは、「寝不足の時」(51.1%)や「ストレスやプレッシャーを感じる時」(51.0%)が多く、次いで、台風などによる低気圧、雨、梅雨時期、季節の変わり目などの「天候が変化する時」(35.1%)が多い結果に。

しかも、PMSの症状が重い女性の8割は、天候の変化とPMSが重なると「最悪」(77.9%)と感じていることもわかりました。

 

1-2.天候の変化でPMSの症状が悪化する原因は?

この調査にコメントを寄せていた、産婦人科医で、「のぞみ女性クリニック」院長の内山心美先生は、天候の変化によってPMSの症状が悪化する原因として、次のように述べています。

「女性は、排卵に伴う月経周期によるホルモンの変動という内的要因に加え、生活環境や精神的・身体的ストレスといった外的要因があり、男性に比べて日常的に不調を感じやすいと考えられます。女性特有の不調の一つであるPMSは、月経周期と密接に関連することから、性ホルモンの関与があることは異論がないとされていますが、今回の調査では、天候の変化でPMSの症状がひどくなる女性が3人に1人もいることがわかりました。
気圧の変化により片頭痛が誘発されたり、雨続きにより水毒(すいどく)の状況となり、PMSの症状が悪化する可能性が考えられます。水毒とは漢方医学的考えで、体内の水分代謝が悪くなり、体のいろいろな部位にとどまったり偏在することで、むくみ、倦怠感、拍動性頭痛、頭重感、立ちくらみ、悪心嘔吐(おうと)などさまざまな症状を引き起こします」(内山先生)

もしかしたら、自分も「水毒」の状態かもしれない…と思った人は、漢方医に相談してみるのもいいかもしれません。

また、「PMSの症状でつらいときは医師に相談しましょう」と内山先生。

「月経とそのときの症状を記録した『症状日記』をつけて持参いただくとよりスムーズです。診察内容は問診が基本で、必要に応じ経腟超音波断層法などの内診をする場合もあるので、月経中は避けたほうが無難かもしれません。内診に抵抗がある場合など、不安があれば医師やスタッフにご相談ください。
問診では、『症状日記』から月経周期との関係性を確認し、疾患への理解を深める『生活指導」や、漢方薬やピルなどを処方する『薬物療法』が行われます。また、自分だけで悩まず、PMSについてパートナーを含めた家族に対し理解を求めサポートしてもらうよう、アドバイスも行いますので、まずは、医師に相談してみるという選択肢をとってみることをお勧めします」(内山先生)

天候の変化をはじめとしたPMSの症状があまりにもひどいという人は、一度受診を考えてみましょう。

 

2.コロナ禍の「不安疲労」にも注意!

2-1.「コロナ禍で不安疲労の人が増えている

ところで、コロナ禍になり、精神的な不安と疲労感を感じているという人もいるかもしれません。

パラミロン研究会が、2021年9月にコロナ禍での不安と疲労感の関係を調査したところ、半数以上の人が「不安疲労を感じることが増えた」((54.5%%)と回答しました。

不安疲労とは、パラミロン研究会の定義では、「生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、何となくだるい・気持ちが重いなど疲労感を感じている状態」だといいます。

男女別で見てみると、男性に比べて女性の「不安疲労」の割合が高く、20代・30代の若い層も「不安疲労」を自覚していることが明らかになりました。

女性は心理的な不安の影響を受けやすく、生活様式の変化を感じやすい若い年代ほど「不安疲労」を強く感じているという結果となりました。

 

2-2.不安疲労の対策

内分泌・糖尿病専門医/医学博士の久保明先生は、不安疲労は放置しておくと“うつ”に移行する危険性もあるため、不安疲労を感じたら、早めの対処を促します。

では、その不安疲労の対策にはどんなことがあるのでしょうか?

久保先生は、対策として、次のことを述べています。

「過度に『不安疲労』を溜めないためにも、生活のリズムを一定にする・不安要素となる情報を必要以上に見ない・緊張を解くために適度に体を動かす…など、自分でできる範囲で不安疲労を軽減する工夫をしてみるとよいと思います。
また、脳と腸は密接に関係しているため“腸のケア”も有用だと言えるでしょう。腸は全身の“元気スイッチ”の役割を果たしています。日頃の生活の中で、腸を元気にすることを意識してみるのも一つの手だと思います」

これらの対策を行って、不安疲労にも対策しましょう!

天候の変化やコロナ禍による環境変化によって、心身の不調を感じているなら、ぜひ積極的に対策を行いましょう。

 

【医師プロフィール】
内山心美先生
「のぞみ女性クリニック」院長 産婦人科医
昭和大学産婦人科学教室、各関連病院勤務、北里大学東洋医学研究所漢方研修生、昭和大学江東豊洲病院助教など を経て現職。「予防医学」「未病」の考えのもと、女性に関するさまざまな病気、トラブルを最小限にして笑顔で過ごしていただくことを願い、2020年9月に産婦人科、漢方内科の「のぞみ女性クリニック」を開業。日本産科婦人科学会 専門医 指導医、日 本東洋医学会 漢方専門医、日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医、女性ヘルスケアアドバイザー
https://www.nozomi-lc.com

久保明先生
内分泌・糖尿病専門医/医学博士 慶應義塾大学医学部卒業。専門は予防医療とアンチエイジング医学。 銀座医院院長補佐・東海大学医学部客員教授・日本臨床栄養協会副理事長。 『カリスマ内科医と組み立てる DIY健康大全』 (晶文社)他、著書多数。

【出典】
ツムラ「PMS(月経前症候群)に関する実態調査」

パラミロン研究会「不安疲労実態調査」

 

 

画像:Shutterstock/Africa Studio

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