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「うちの車、傷つけたでしょ」と言いがかりをつける隣人。防犯カメラに写っていた意外な正体【短編小説】
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言いがかりをつける隣人
私の悩みは、同じマンションに住むお隣さんです。
決して悪い人ではないのですが、少し思い込みが激しいというか、神経質なところがある方でした。
特にご自身の車を宝物のように大事にされていて、駐車場で会うたび、車体をピカピカに磨いている姿を見かけていました。
そんなある週末の午後、突然インターホンが鳴りました。
「ちょっと、いいかしら!」 モニターに映っていたのは、腕を組み、明らかに不機嫌そうなお隣さんでした。
何事かと思い玄関を開けると、彼女は私を一目見るなり、まくしたてました。
「うちの車、傷つけたでしょ! ボンネットにひっかき傷がつけられてるのよ! 」
「えっ? 私ですか?」 突然のことに驚き、言葉も出ません。 
「いいえ、私は何もしていませんし、まったく身に覚えが…」
「とぼけないでよ! 昨日あなたが大きな荷物を持って、車の横を通ったのを、私見たんだから! あの時にこすったんでしょ!」
防犯カメラを見た結果
まったくの濡れ衣でした。
確かに昨日、駐車場の横は通りましたが、持っていたのはスーパーの買い物袋だけ。
車にぶつかるような大きな荷物ではありません。
私が懸命に否定しても、お隣さんは「嘘つき!」と聞く耳を持ちません。
どうしたものかと困り果てたその時、私はあることを思い出しました。
「あの…うち、玄関先に防犯カメラをつけているんです。駐車場の方向もギリギリ映っているはずなので、一緒に確認してみませんか?」
私の提案に、お隣さんは「ふん、どうせ何も映ってないわよ」と吐き捨てましたが、しぶしぶ一緒に映像を確認することになりました。
録画を早送りで確認していきます。 
そして、昨日の深夜、時刻が午前2時を回った頃。
映像の暗闇の中に、二つの光る目が現れました。
それは、お隣さんの車に近づいていきます。
「…猫?」 私たちが息をのんで見守っていると、それは猫よりもずっと大きく、ふっくらとした体形でした。
「アライグマ…?」
なんと、映像に映っていたのはアライグマでした。
アライグマは器用にボンネットによじ登ると、何かを探すようにウロウロし、次の瞬間、足を滑らせてボンネットの表面で爪を立てたのです。
映像には音は入っていませんでしたが、あの爪で傷がついたことは明らかでした。
「あら…」 お隣さんは、信じられないという顔で画面を凝視しています。
「どうやら、犯人はこの子のようですね」 私が静かに言うと、彼女は顔を真っ赤にして、 「…ご、ごめんなさい。私の、完全な勘違いだったわ…」 と、蚊の鳴くような声で謝罪し、そそくさと自宅に帰っていきました。
濡れ衣は晴れましたが、まさか都会のマンションの駐車場にアライグマが現れ、車を傷つけていたとは。 何が起こるか分からない世の中、防犯カメラをつけておいて本当によかったと、心から思った出来事でした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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