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【短編小説】「ちょっと貸して」が口癖で、私のデパコスを使い潰す友人。→ある日、空になった美容液の瓶に”詰め替え用化粧水”を入れておいたら…

短編小説ちょっと貸してが口癖で私のデパコスを使い潰す友人→ある日空になった美容液の瓶に詰め替え用化粧水を入れておいたら

人の物をすぐ借りる友人に嫌気がさした

私の友人、玲奈の口癖は「ちょっと貸して」
最初は「ハンカチ貸して」とか、そんな些細なものでした。
でも、だんだんとその範囲は広がり、いつの間にか私の大切なコスメにまで及ぶようになったのです。

 

玲奈は特に、私が頑張って手に入れたデパートコスメ、通称「デパコス」がお気に入り。
私が席を外した隙に、お気に入りのアイシャドウやリップを勝手に試していることもしばしば。
「美咲のコスメ、発色良くて最高だね!」なんて悪びれもせずに言うので、強く注意することもできずにいました。

 

そんなある日のことです。
私が自分へのご褒美に買った、一万円以上する美容液。
特別な日の前日に使おうと楽しみにしていたのに、棚に置いたはずの小瓶が妙に軽いのです。
まさかと思い中を確認すると、ほとんど空っぽ…。
数日前に玲奈が泊まりに来たことを思い出し、全身の力が抜けました。
さすがにこれは許せない。そう思った私は、小さな仕返しを計画したのです。

仕返しを計画

まず、綺麗に洗って乾かした美容液の空き瓶を用意しました。
そして、ドラッグストアで買った大容量の詰め替え用化粧水を、その瓶にそっと注ぎ込んだのです。見た目は高級美容液そのもの。準備は万端でした。

 

数日後、案の定、玲奈が「泊まりに来たよー!」と私の部屋へやってきました。
そしてお風呂上がり、ドレッサーの前に座るなり、例の瓶を手に取って言いました。
「美咲、この美容液ちょっと貸して!やっぱりこれ、肌に吸い付く感じがたまらないんだよね」

私は「どうぞ」と笑顔で答えながら、心の中で祈りました。どうか気づきませんように、と。

玲奈は、詰め替え用化粧水とは知らずに、それをたっぷりと顔に馴染ませています。
そして翌朝、鏡を見ながら満面の笑みでこう言ったのです。
「やっぱりこの美容液、最高!昨日よりお肌の調子が良い気がする!ありがとう、美咲!」

その言葉を聞いて、私は心の中でそっと呟きました。
「…玲奈、それは一袋千円もしない化粧水だよ」
ブランドや値段というフィルターが、どれだけ人の感覚に影響を与えるのかを実感した瞬間でした。
この一件以来、私は玲奈に対して、嫌なことは嫌だとハッキリ伝えられるようになったのです。

 

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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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