「なかなか仕事がうまくいかず、生きづらさや疲れやすさを感じている」
「何事もしっかり理解してからでないと進められない」
「周りのように上手く社会で生きていけないのはなぜだろう?」
このような悩みや疑問をかかえていませんか?
周りと同じように生きられないことで、「なにかの病気なのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、「内向型」という性質をもっているだけかもしれません。
今回は、内向型の定義や強み、生きやすくなる考え方などについて、薬剤師が紹介します。
1. 内向型とは?
内向型とは、心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した性格分類の概念のことです(※1)。
ここでは内向型の特徴や、内向型と対比される「外向型」についても解説します。近年よく耳にする「HSP」との違いについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
1-1. 内向型と外向型の違い
内向型と対比される性格分類として、外向型という概念があります。
内向型と外向型の主な違いは、「興味のベクトルが向く方向」です。
内向型は興味のベクトルが自分の内側(感情や思考など)に向くことが多いですが、外向型は外側(他者)に向く傾向があります。
たとえば、内向型は一人でボーっとしたり読書をしたりすることで元気が回復する一方で、外向型は積極的に外出したり、誰かとアクティブに過ごしたりすることを好む傾向にあります。
1-2. 内向型の強み
内向型に対して、「控えめでコミュニケーションが苦手」といったネガティブなイメージをもつ方もいるかもしれませんが、内向型には以下のような強みがあります。
・相手の気持ちをくんだコミュニケーションができる
・自分の考えや意見をしっかりもっている
・慎重にものごとを判断できるので、失敗しにくい
・人の話を聞くことが得意
・ものごとの本質を考えられる
・すぐれた分析力をもっている
・自立している
外向型が評価されやすい社会では見過ごされがちですが、内向型にはすばらしい強みがあるのです。
1-3. HSPとの違い
内向型と似ている概念として、「HSP」が挙げられます。
HSPとは「Highly Sensitive Person」の略であり、生まれつき「刺激に敏感で疲れやすい」という性格的な特性のことです。
HSPは、光や音、匂い、味、肌触りなどに敏感であり、共感力が高いという特徴ももち合わせています。
内向型とHSPの主な違いは、「その気質が変化するかどうか」です。
内向型の程度は年齢を重ねることや、環境の変化などによって変わる可能性がありますが、HSPは生まれもった気質なので変化しないといわれています。
2. あなたはいくつ当てはまる? 内向型のタイプ診断
ここでは、内向型によく当てはまる特徴を紹介します。
<内向型に多い特徴>
・話すよりも聞くほうが得意
・大人数でいるよりも少人数を好む
・マルチタスクが苦手
・会社組織での働きにくさを感じている
・「とりあえずやってみて」が苦手
・精神的にも体力的にも疲れやすい
・問題解決の際は、人に相談するよりも一人でじっくり考えたい
・友人と楽しい時間を過ごしたとしても、あとでどっと疲れてしまう
当てはまる項目が多いほど、内向型の傾向があるといえるでしょう。
3. 内向型の方が生きやすくなる方法
ここでは、内向型の方が生きやすくなる方法や、心が軽くなる考え方について3つ紹介します。
3-1. 内向型は強みだと認識する
字面からネガティブなイメージをもたれやすい内向型ですが、「内向型の強み」の項目で述べた通り、多くの強みがあることを認識しておきましょう。
苦手なことに目を向けるのではなく、得意なことを活かせる環境に身をおくようにすると、比較的ラクに生きられるでしょう。
3-2. 組織以外での働き方を考える
内向型の方は会社組織ではなく、個人で働くほうが力を発揮できるといわれています。
会社では、マルチタスクや電話対応、避けられない人間関係、接客、イレギュラーな対応など、内向型が苦手とすることが多い傾向にあります。
会社で活躍できずに悩んでいる方でも、もしかしたら会社員以外の道で力を発揮できるかもしれません。
3-3. 一人の時間をしっかり確保する
内向型の力を十分に発揮するには、一人の時間を確保することが大切です。
内向型の方は、大勢と関わって仕事をするよりも、一人で黙々と進めるほうが得意な傾向にあります。
また、疲れているときは一人で休む時間を設けることが重要です。
4. 内向型で不安や疲れやすさを感じやすい方には漢方薬もおすすめ!
内向型は刺激に弱く、不安や疲れやすさなどを感じやすい傾向にあります。
不安や疲れやすさを解消するには、自分の強みを活かせる環境で働いたり、一人で過ごす時間を確保したりすることなどが大切です。
それらの工夫に加えて、専門家による指導の元で、根本的な体質改善を目指せる漢方薬を活用する方法もあります。
不安や疲れやすさを解消するには、
・ストレスで乱れた自律神経を整える
・睡眠の質を上げてストレスを改善する
・消化・吸収の機能をよくして必要なところに栄養を届ける
などの作用をもつ漢方薬を選びます。
漢方薬は毎日決められた量を飲むだけでよいので、手軽にはじめられることも利点です。
ここでは、不安や疲れやすさの緩和におすすめの漢方薬を2種類紹介します。
<不安や疲れやすさの緩和におすすめの漢方薬>
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):「気」(エネルギー)を巡らせ、からだにこもった熱を冷ますことで、ストレスを和らげる働きがあります。不安、動悸、不眠、イライラや抑うつといった神経症などに用いられます。(※2)
・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力が中程度以下で疲れやすく、イライラする、のぼせや頭痛がするなどの更年期の症状や、神経不安などがある方の不眠症に用いられます。「気」(エネルギー)の流れを整え、不足した「血」(栄養)を補う働きがある漢方薬です。(※3)
漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の症状や体質に合ったものを選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用を招く可能性もあります。
しかし、どの漢方薬が適しているのかを自分自身で見極めることは、なかなか難しいですよね。最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。
AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。漢方薬を試してみたい方は、ぜひ活用してください。
5. 内向型は強みであることを認識しよう
内向型は、性格分類の考え方のひとつであり、興味や関心が自分自身に向きやすいという特徴があります。
控えめな印象をもたれがちですが、「ものごとの本質を考えられる」「黙々と作業ができる」「人の気持ちをくんだ行動ができる」などの強みがあります。
ただ、内向型の方は刺激に弱く、不安や疲れやすさを感じやすい傾向があるので、自分に合った環境を模索することや、一人の時間をしっかり確保することなどが大切です。
それらの工夫に加えて、刺激に負けないからだを目指せる漢方薬を試してみるのも選択肢のひとつです。
内向型は強みであることを認識し、自分らしく生きていきましょう!
参考文献
(※1)ユング『心理学的類型』、フロム『正気の社会』
http://www.ksc.kwansei.ac.jp/~kamata/semi/19971998/kougi/97lecture/970424.htm
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7943
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8230
<この記事を書いた人>
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)