GLAM Editorial

【GLAMなオトコ】Vol.25こんな1着が欲しかった! ユーモラスなのにスタイリッシュ。「編み物☆堀ノ内」に見るニットの可能性

Q. 堀ノ内さんの作品はとにかくインパクトがあり、モチーフもエッジィが効いていて素敵でいくら見ても飽きないのですが、モチーフはどのようにして選ばれているんですか?

自分が好きな人、興味がある人です。そのほうが自分の中のモチベーションがあがって楽しく作れますから。例え「今この人がキテるから」「売れそう」となっても、自分がぐっとこなければ作る気がしないんですよね。あとはやっぱり見ている人たちが人選を面白がってくれたらいいなと思って考えたりしています。

Q. もともとグラフィックデザイナーのお仕事をされていて、編み物経験がまったくないところから始めたという経歴にも驚かされましたが、なぜ編み物をやろうと思ったのでしょうか?

本当に、どうかしてますよね。最初はネットでロックミュージシャンの顔をモチーフにしたセーターを作っている人を見て、面白いなと思ったんです。そんなときに小説家の橋本治さんが1983年に出版された「男の編み物・橋本治の手トリ 足トリ」という本に出会い、衝撃を受けました。そこには山口百恵さんやデヴィッド・ボウイの顔が編みこまれたセーターが載っていて、すごくカッコよかった。それを見て、僕もこういうのを編みたいと思って編み物を始めました。編み物の教則本としても、圧倒的にわかりやすかったですね。橋本治先生は、僕の編み物の師匠の1人だと思っています。

Q. 最初は趣味感覚で始められたのですか? あるいは最初から仕事にしたいと思っていた?

仕事になったらいいなと思っていましたけど、どういう形で仕事になるかは想像がつかなかった。ただ、もしかしたら話題にはなるかなとは思っていましたね。そういう下心がなかったらやらないですよ。面倒臭い作業ですからね(笑)。

Q. いえいえ、それでも突然始めようと思ってできることではないです。編み物の一番の楽しみはどこにあるのでしょうか?

完成したときですね。作っているときは本当に地味で退屈な作業ですから(笑)。編み物をやっている人たちの中には編むことが好きだったり、手を動かしていると無心になれるから好きという方が大勢いると思うんですけど、僕はまったくそんなことがなくて、どちらかというと「早く終わらないかな」と思ってやっているので、出来上がった瞬間が一番楽しいです。それから、デザインを考えるのも楽しいですよ。グラフィックを作るのは本業なので。

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