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【大人の時間旅行】予約が取れたら、そこはもう“明治・大正時代”。日本の美しき「クラシックホテル」は、泊まれる“文化遺産”だった
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最新のラグジュアリーホテルも素敵だけれど、時を重ねたからこそ生まれる気品や、物語を感じる場所に心惹かれることはありませんか?
日本には、激動の時代を超えてゲストを迎え続け、今なお輝きを放つ「クラシックホテル」が存在します。そこは、ただ泊まるだけの場所ではなく、美しい建築や調度品に触れ、かつて訪れた偉人たちの息遣いを感じられる特別な空間。
今回は、歴史と品格が保証された「日本クラシックホテルの会」加盟ホテルの中から、GLAM読者の皆さんにぜひ訪れてほしい、美しき5つのホテルを厳選してご紹介します。
日光金谷ホテル(栃木・日光):150年の時を刻む、日本最古のリゾートホテル

1873年(明治6年)に開業した、現存する日本最古のリゾートホテル。まるで竜宮城のような趣のある外観と、館内に施された日光東照宮を彷彿とさせる彫刻の数々は圧巻です。
アインシュタインやヘレン・ケラーといった世界の著名人も宿泊し、その歴史の重みと格式を感じさせます。ぜひ訪れたいのが、回転扉やアールデコ調の照明が美しいメインダイニング。名物の「百年ライスカレー」は、大正時代のレシピを受け継ぐ伝統の味です。歴史が息づく空間で、ノスタルジックな時間に浸ってみてはいかがでしょうか。
東京ステーションホテル(東京・丸の内):駅舎に泊まる、唯一無二の物語

東京駅の丸の内駅舎の中に位置する、1915年(大正4年)開業のホテル。駅の喧騒が嘘のような、静かで優雅な空間が広がっています。国の重要文化財である赤レンガの駅舎に抱かれて眠るという体験は、世界中どこを探してもここでしかできません。
天井高4m近い客室や、駅の屋根裏にあったスペースを活かしたゲストラウンジなど、建築好きにはたまらない魅力が満載。江戸川乱歩や川端康成など多くの文豪に愛されたことでも知られています。東京のまさに中心で、都会的でありながら歴史の重みを感じる、知的な滞在が叶います。
富士屋ホテル(神奈川・箱根):建築美に心奪われる、至高のリゾート

1878年(明治11年)に箱根・宮ノ下で開業。唐破風のエントランスを持つ「本館」をはじめ、異なる時代に建てられた様々な様式の建築が織りなす景観は、それ自体がひとつの芸術作品です。
チャップリンやジョン・レノンも愛したこのホテルは、約2年間の大改修を経て2020年にリニューアル。歴史的価値はそのままに、現代の快適性がプラスされました。歴史あるメインダイニングでの本格フレンチや、源泉掛け流しの温泉も魅力。都心から少し足を伸ばして、華麗なる建築美と豊かな自然に癒される休日を過ごせます。
万平ホテル(長野・軽井沢):ジョン・レノンが愛した、森の中の聖地

日本を代表する避暑地、軽井沢の歴史と共に歩んできた1894年(明治27年)創業のホテル。クラシカルな本館「アルプス館」は、和と洋が融合した美しい木造建築で、軽井沢のシンボル的存在です。
このホテルを語る上で欠かせないのが、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が愛した場所であること。夫妻が足繁く通ったカフェテラスでは、ジョン直伝のレシピとされるロイヤルミルクティーを今でも味わうことができます。2024年夏に大規模改修を終え、新たな歴史を刻み始めたばかり。森の空気に包まれながら、伝説の続きを体感する旅へ。
奈良ホテル(奈良):気品あふれる「西の迎賓館」

1909年(明治42年)、“西の迎賓館”として奈良公園の高台に誕生。桃山御殿風の檜造りの本館は、和の意匠と西洋の機能美が見事に調和した空間です。館内の至る所に配された美術品や、創業当時のまま時を刻むスチーム暖房など、歴史の証人ともいえる調度品が大切に受け継がれています。
ロビーに置かれたアインシュタインが弾いたとされるピアノは、今も現役。メインダイニング「三笠」から望む若草山の景色も格別です。古都の気品と歴史に包まれる、優雅で穏やかな時間を過ごせるでしょう。
まとめ
日本のクラシックホテルは、単に宿泊する場所ではなく、その扉を開けた瞬間から、私たちを物語の世界へと誘ってくれます。大切に受け継がれてきた空間、一流のおもてなし、そしてそこに刻まれた幾多の逸話。
次の休日は、流行を追いかけるのではなく、時を超えて愛される場所で、自分だけの特別な物語を見つける旅を計画してみてはいかがでしょうか。
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