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楽しかったライブの後、チケット代を請求したら「ごめん!」と何度もはぐらかす友人。最終手段として”法的手続き”を匂わせた結果【短編小説】

楽しかったライブの後チケット代を請求したらごめんと何度もはぐらかす友人最終手段として法的手続きを匂わせた結果短編小説

 

ライブチケットで崩れる友情

一週間前、親友のユカと行ったライブは最高でした。
しかし、その輝かしい思い出に今は黒いシミが広がりつつありました。
原因は私が立て替えたチケット代、一万二千円です。

 

「ユカ、チケット代のことなんだけど、そろそろお願いできるかな?」

ライブの三日後、私はメッセージを送りました。
すぐに「ごめん!週末には必ず!」と返信があり、ほっとしたのも束の間、週末を過ぎても彼女から連絡はありません。

もう一度催促の連絡を入れます。
返ってくるのは、いつも「ごめん!」「忘れてた!」「来週こそは!」という軽い謝罪のスタンプばかり。
電話をかけても、「ごめん、今ちょっと忙しくて!」とすぐに切られてしまいます。
楽しかった思い出が、彼女の不誠実な態度によって色褪せていくのを感じました。
お金の問題だけではありません。私たちの友情そのものが軽く扱われている気がして、胸がずきりと痛みました。

このままではいけない。友情を失うとしても、このけじめだけはつけなければならない。
そう思った私は深呼吸をして、最後のメッセージを送ることにしました。
これは賭けです、もう後には引けませんでした。

法的措置を検討…

「ユカへ。大事な話があります。何度もお伝えしているチケット代の件ですが、残念ながら誠実な対応をしてもらえていません。このままお支払いいただけない場合、友人としては大変心苦しいですが、少額訴訟という法的な手続きを検討することも考えています」

送信ボタンを押す指が、わずかに震えました。
やりすぎだろうかという思いが頭をよぎります。
しかし、数分後スマホが鳴りました。
画面には「ユカ」の文字。今まで避けていた彼女からの着信です。

「もしもし!?さっきのメッセージどういうこと!?訴えるとか、本気で言ってるの!?」

電話の向こうのユカは、明らかに動揺していました。
私は冷静に、しかしはっきりと答えました。

「本気だよ。お金もだけど、ユカの態度が悲しかったの。だから、こうするしかなかった」

沈黙が流れました。
そして、か細い声で「…ごめん」と聞こえ、すぐに「振り込んだから、確認して」とだけ言って電話は切れました。
数秒後、銀行アプリから入金の通知が届きます。
一万二千円。お金は、確かに戻ってきました。

でも、私の心は晴れませんでした。
失われた信頼は、お金が戻っても元には戻らないのです。

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