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私のブランドバッグを「これ偽物でしょw」と嘲笑った友人。→正規店の”購入証明書”を目の前に叩きつけたら、凍りついた。【短編小説】

私のブランドバッグをこれ偽物でしょwと嘲笑った友人→正規店の購入証明書を目の前に叩きつけたら凍りついた短編小説

 

友人に疑われたバッグ…偽物呼ばわりされてしまう

「はぁ……可愛い……!」

思わず、吐息と共に幸せな独り言がこぼれました。

週末の午後。
柔らかな光が差し込むお気に入りのカフェ、その窓際の席が私の定位置です。
私の隣には、今日初めておろした憧れのブランドバッグが、ちょこんと上品に座っています。
この子を迎えるために、どれだけの残業や休日出勤を乗り越えてきたことでしょう。

 

滑らかな手触りの上質なレザー。
光をたおやかに反射する、控えめなゴールドの金具。
全てが完璧で、まるで芸術品のようでした。
昨日まで、部屋で箱から出してはうっとりと眺め、そっと撫でては箱に戻す、というのを繰り返していた私にとって、こうして外に連れ出せたこと自体が、この上ない喜びなのです。
これは、ただのバッグではありません。私の努力の結晶であり、これからの私を支えてくれる、大切な”相棒”なのですから。

心ない一言と、踏みにじられた誇り 

「お待たせー。ごめんね、遅れちゃって」

軽快な声と共に現れたのは、友人のアヤカでした。彼女は席に着くなり、私の隣の”相棒”に目を留めます。

「あ、そのバッグ買ったんだ。可愛いじゃん」
「そうなの!ついに買っちゃった!」

私の弾む声に、アヤカは「へぇ」と興味なさそうに相槌を打つと、私の許可も得ずにひょいとバッグを手に取りました。

「ちょっと、やめてよ」
「いーじゃん、見るくらい。……ふーん、でもさ」

アヤカは、まるで鑑定士のようにバッグを裏返したり、内側を覗き込んだりしながら、探るような視線を向けます。
そして、少し意地の悪い笑みを浮かべて言いました。
「なんか、革の感じ、安っぽくない?私が知ってるやつと、ちょっと違う気がするんだけど」

心臓が氷の指で鷲掴みにされたかのように、きゅっと冷たくなりました。

「そ、そんなことないよ。ちゃんとしたお店で買ったんだから」
「いや、でもここのロゴの刻印とか、微妙に浅いっていうか……。縫い目も、なんか雑じゃない?」

アヤカの言葉は、私の宝物に土足で踏み込んでくるようでした。
このバッグをけなされることは、私の頑張りそのものを否定されるのと同じことです。顔が熱くなり、喉がカラカラに乾いていきました。

私が言葉に詰まっていると、アヤカは勝ち誇ったようにスマートフォンを取り出し、何かを検索し始めました。
そして、その画面を私の目の前に突きつけます。そこには「偽ブランド品の見分け方」という、悪意に満ちたサイトが表示されていました。

「ほら見てよ、ここの金具の形、偽物の特徴と一致するじゃん。あーあ、騙されちゃったんだね。可哀想に。これ偽物でしょw」

その嘲笑は、残酷な刃物となって私の胸に突き刺さりました。周囲の席から、好奇の視線が突き刺さるのを感じます。
恥ずかしさと、悔しさと、そして込み上げてくる激しい怒りで、頭が真っ白になりそうでした。

 

……許しません。私の大切な宝物を、私の努力を、根拠のない憶測で汚すなんて、絶対に。
私は一度、深く、深く息を吸って心を鎮めました。そして、震える指を叱咤して、バッグの内ポケットに手を伸ばしたのです。

突きつけた”動かぬ証拠” 

「……だったら、これは何なのでしょうか」

静かな声で、私は言いました。
テーブルの上に、トン、と少しだけ重みのある音を立てて置いたのは、ブティックのロゴが箔押しされた、上質なクリーム色の封筒です。
アヤカが「何それ」と訝しげな顔をする前で、私は中から一枚のカードを取り出しました。ブランド名の透かしが入った、厚手の紙でした。

そこには、紛れもない、正規店の”購入証明書”。
私の名前、購入した日付、対応してくれた店員さんの美しいサイン。
そして、このバッグ固有のシリアルナンバーが、はっきりと印字されていました。

「……え」

アヤカの嘲笑が、顔に張り付いたまま固まります。
彼女の視線が、証明書と私のバッグ、そして私の顔の間を、信じられないというように何度も往復しました。
さっきまで饒舌だった唇は固く結ばれ、みるみるうちに顔から血の気が引いていきます。

カフェの心地よいBGMだけが、気まずい沈黙の中でやけに大きく響いていました。

「う、そ……なんで……」

絞り出すような声は、か細く震えています。
彼女が凍りついたように動かなくなったのを、私はただ冷たい目で見つめていました。

私は購入証明書を封筒にそっと戻し、大切な”相棒”と一緒に、ゆっくりと席を立ちました。
会計を済ませて店の外に出ると、午後の優しい光が私を包み込みます。
もうアヤカの顔なんて思い出したくもありませんでした。

友情が一つ消えた心の隙間を、この愛しいバッグの確かな重みが満たしていきます。
偽物なんかじゃありません、これは私の誇りそのものなのです。
私はこの子と一緒に、これからも胸を張って歩いていきます。心から、そう思えました。

 

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