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「これやっといて下さいッス」仕事を丸投げしてくるZ世代の新人。→彼の”致命的ミス”を私のせいにしようとしてきたので、全メールを部長に転送した結果…。【短編小説】

これやっといて下さいッス仕事を丸投げしてくるZ世代の新人→彼の致命的ミスを私のせいにしようとしてきたので全メールを部長に転送した結果短編小説

 

「これやっといて下さいッス」仕事を丸投げしてくるZ世代の新人。

「これ、お願いしていいッスか?」
月曜の朝。
デスクに座る私に、新人の黒川が軽いノリで話しかけてきた。

「先週のA社の資料っすけど〜、まとめといてもらってもいいッスか?マジ助かります」

え?それ、あなたが担当の案件では?

「ごめんね、それ黒川さんがやるって言ってた資料でしょ?」

そう返すと、彼はスマホをいじりながらこう言った。

「っすけど、◯◯さん(私)の方がこういうの得意じゃないッスか〜?」

“なぁなぁ依頼”が次々と… 

それからというもの、黒川の「軽ノリ仕事丸投げ」は止まらなかった。

・自分が出るべき会議の資料を私に丸投げ
・書き途中の議事録を「あとお願いしますッス」
・クライアントへの返信も「とりま任せます!」

一応、「それって私の業務じゃないよね?」と伝えると、

「いやぁ~◯◯さんの方が絶対安心感あるし!w」
と、あくまで“褒めてるノリ”で押しつけてくる。

この軽さ、Z世代というより“責任放棄の天才”である。

「これ、◯◯さんのミスじゃないスか?」
そんな彼の態度にイラっとしながらも、私は記録だけは丁寧につけていた。
Slackもメールも、やり取りは全て残し、必要なものはスクショで保存。

そして、ついにその日が来た。 

——A社に送る重要な見積もりデータに、大幅な数値ミスが見つかったのだ。

部長に詰められた黒川は、信じられない一言を放った。

「え、でもそれ最終チェックは◯◯さんだったと思うんスけど…?」

その瞬間、私はゆっくりとメールを開き、こう言った。

「失礼ですが、その件についてはご確認いただきたいメールがあります」

──その場で、件の見積もりに関するやり取りすべてを部長に転送。

【件名:見積作成について(黒川→私)】

「とりまこれでOKッスよね?そのまま送っちゃって大丈夫ス!」

【添付】作成ミスがあるPDF
【私の返信】

「数値の再確認をお願いします。不安点がいくつかあります」

それを読み終えた部長は、静かにこう言った。

「黒川くん、今後の仕事の姿勢、少し見直した方がいいね」

その日を境に、“丸投げ新人”は消えた
次の日から、黒川の“軽ノリ依頼”はピタリと止んだ。
そして数ヶ月後、人事異動という形で彼は別部署へ。

「年上が何とかしてくれるっしょ」精神は通用しない。
年齢じゃなく、信用で仕事は回っているのだ。

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