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「家にいるんだから光熱費よろしくw」甘えきった同棲彼氏。ある日、明細を突きつけ金の流れを正したら、彼の顔が真っ青に…【短編小説】

同棲で揉めた金の流れ
「同棲しようか」
そう言い出したのは、彼・直人だった。
家賃10万円の1LDK。光熱費や食費も合わせて、ざっくり月15万の暮らし。
「生活費は全部折半な」そう言った彼の言葉を信じて、私は引っ越しに踏み切った。
……はずだった。
「光熱費はお願い」「食費出しといて」いつの間にか、私だけが財布に
最初の月は、ちゃんと折半だった。
でも2ヶ月目には「今月ちょっと厳しいかも」
3ヶ月目には「家にいる時間、お前の方が長いんだから光熱費はお願いねw」
え?リモートワークなだけで、なんで私が多く払うの?
家事は私。料理も私。
なのに彼は、毎晩コンビニ飯+ビール。光熱費をかけてるのは、完全に“あっち側”だ。
我慢は限界。私は“家計簿”を武器に立ち上がった
コツコツ記録していた家計簿アプリを開く。
家賃の半分以外、すべて私が払っていた。
・水道代:6,500円
・電気代:12,400円
・ガス代:9,100円
・食費:約40,000円
直人の負担:家賃5万円
私の負担:その他10万円以上
……これ、全然折半じゃない。
「ちょっと、話そうか」——明細を並べて金の流れを“見せた”夜
帰宅した直人をリビングに呼び、テーブルにA4の紙を並べた。
家計簿のスクショを印刷したもの。そこには赤字で“彼が払っていない分”がハッキリ記されていた。
「え……なにこれ」
「私、言ったよね。生活費は“折半”って」
「いや、でも……お前の方が使ってる日も——」
「誰が風呂を1日3回入ってる?
誰が毎晩ゲームで電気つけっぱ?
冷蔵庫開けて3分固まってるの、誰?」
「…………」
彼の顔が見る見る青ざめていく。
そして、“逆ギレ”の前に、私が出した答え
「そっか……俺、ちょっと考えが甘かったな」
なんて展開は、もちろん来なかった。
「てかさ、そういうの記録してくるの、ちょっと怖くない?」
はい、出た。“逆ギレ”防衛モード。
私は深く息を吸って、静かに言った。
「じゃあ、これ以降は全部“契約”でいこう。家賃・光熱費・食費、折半証明のために全部共有アプリで記録する。無理なら、解消。以上」
結末:彼は出ていった。私は、光熱費のない夜にホッとした。
数日後、直人は荷物をまとめて実家に戻った。
「疲れた、もっと気楽な関係が良かった」と言い残して。
私は残された部屋で、久しぶりにコンセントを抜いた。
テレビのついていない夜。ビールの缶が転がってないキッチン。
光熱費が静かに、安くなっていく音がした。
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