17.06.28(Wed)

地球外生命体は本当にタコ風シェイプなのか?

Rieko Shibazaki

Rieko Shibazaki 編集/ライター

ファッション誌、カルチャー誌の編集を経てフリーに。映画人やデザイナーなどのインタビューを始め、ファッションからゴシップまで幅広く執筆。幼少期&学生時代をNYで過ごしたこともあり、ミュージカル&海外ドラマ好き好きな映画のジ...

『ライフ』


今年観た作品の中でも上位に入る『メッセージ』(2016)。過去、現在、未来という時間の概念がない地球外生命体と人間のコミュニケーションをこれまでにない形で描いたSF作で、映画自体もラストシーンが最初につながり、終わりがないという非常に巧妙な作りになっていた。「宇宙人襲来!」ではなく、宇宙人を通して人間が自分たちの人生を理解するという物語はやや難解ではあるけれど、観終わってからもあれこれ考えさせられる作品だった。


で、自分の中の宇宙ブーム続きで『ライフ』へ。こちらは未知の生命体(宇宙人)を調査するミッションを受けた世界各国の宇宙飛行士6人が、火星から持ち帰ったサンプルの中からアメーバ状の微生物を発見し、世界中で「初の宇宙人だ!」とお祭り騒ぎに。地球ではこのアメーバ状の生物に「カルビン」という名前まで与える。


ところが!! 人間によって深い眠りから強制的に目覚めさせられたカルビン君は猛スピードで成長し、モンスターへと変貌する。しかもこいつがメチャクチャ賢いのだ。こんな生物が地球に舞い降りたら、人間なんてひとたまりもない……。


という、まあ、どこかで聞いたことのあるストーリーなのだけど、途中何度か観ているこっちも酸欠になりそうなくらい緊迫する場面も。アメリカでは主演のジェイク・ギレンホールと共演者のライアン・レイノルズが仲良くプロモーションをしていたので、二人の絡みがすごいのかと思ったら意外な結果に。その点安定なのが『エイリアン』(1979)が証明しているように、宇宙ものは女性がカッコいいこと。今作でも大事な判断を下すのはレベッカ・ファーガソン演じるミランダで、彼女の無機質な美しさがピシャとはまっていた。そして迎えた『ゼロ・グラビティ』(2013)的なラストシーンは、想像を覆すまさかのエンターテイメントらしいオチで楽しめたのだが……。残念だったのが、『ナイトクローラー』(2014)や『サウスポー』(2015)のあのジェイクの主演感ゼロという虚しさ! カルビン君の演技に圧倒されてしまったのかな?

真田広之も出演しています。


「知りたい」という欲求が人類を成長させたけど、命を操作するのは人間の傲慢でしかない。ジワジワとその恐怖を植え付けてくる映画を観終えて思ったのは、遺伝子組み換えははたして安全なのかということ。となると犬や猫の人的交配もいつか大惨事を生み出すのではないだろうか……。


『メッセージ』とは正反対のSFスリラーだけど、一つだけ共通点が。それは地球外生命体のボディシェイプ。『メッセージ』ではタコ型だったけど、『ライフ』のカルバンはヒトデ型。なんで地球外生物のボディって絶対に足的なものが何本もあるのだろう? 本当にこれが一番宇宙の生物に近い形なのか? 気になる。


『ライフ』
監督: ダニエル・エスピノーサ
キャスト: ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ
公式サイト