藤井麻未
藤井麻未

2015.01.27(Tue)

“イギリスで一番素敵なティールーム”で過ごす、とっておきの昼下がり  ~イギリス スランウスト~

イギリスといえば、誰もが「アフタヌーンティー」というキーワードを思い浮かべるだろう。その通り、イギリスへ行けば素敵なティールーム、そして美味しい紅茶とスコーンには事欠かない。中でも“イギリスで一番素敵なティールーム”と称される、とびきり印象的なティールームが北ウェールズのスランウストという田舎町にある。

イギリスを構成する四つの地方 ( 国 ) のうち、最も独特な文化を育むウェールズ。 7,000 年もの歴史を持ち、異民族に侵略されながらも独自の文化を守り続けてきたケルト系民族が今なおこの土地に残っている。ケルトの文化には、自然の中に霊魂が宿るとするアニミズム的信仰があり、彼らの神話の中には森の精霊や魔法、大地の守り神といった自然と融合した幻想的なものが出てくる。だからであろうか、ウェールズの地に立つと言葉では言い表せない神秘的な自然の存在を感じるのだ。

お目当てのティールームは、そんな北ウェールズの豊かな自然に抱かれていた。きらめく湖や川、荒々しい山脈や長閑な丘陵地帯を越えて、スノードニア国立公園の玄関口ともなるスランウストの小さな街がある。


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街の外れを流れるコンウィ川が見えてくると、ティールームはすぐそこだ。「Tu Hwnt I’r Bont( ティ・フント・イル・ボント ) 」。もし、人間以外に一目惚れがあるとすれば、間違いなく私はこのティールームに一目惚れしてしまったといえるだろう。秋色に色付いてきた自然の木々に合わせるようにして、自らも赤くなり溶け込んだ姿は、なんだかとてもウェールズらしい。


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古い石橋を渡って近付いていくと、そっと手招きされているような気持になった。


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内部は至って素朴である。五つ星ホテルで嗜む高級アフタヌーンティーのような豪華さは無く、都会的な洗練とも無縁だ。しかし、年季の入った木の椅子やテーブル、柱や天井には温かみが感じられ、地元の採れたて卵や自家製ジャムが並ぶ様子は訪れる者をほのぼのとした気持ちにさせてくれる。


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ティーバッグではなく、拘りのリーフから出す紅茶はブルーウィローの茶器で供され、高い香りとコクがある。スコーンやバター、北ウェールズ伝統のバラブリスというパンは創業当時から秘伝の製法で作られ、材料は無添加。全て地元の食材を使った優しい味だ。


© COPYRIGHT KIRAN RIDLEY 2006

外に出てみると、川辺はお茶を飲みに来た客たちで賑わっていた。思い思いに腰かけ、新聞を読むもよし、お喋りに興じるのもよし。


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日々の喧騒に疲れたら、こんな牧歌的な自然に抱かれたティールームでとっておきの昼下がりを過ごしてみるのも良いかもしれない。

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