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「これを渡そうと思って」無愛想だった常連客。だが、最終出勤日にくれた手紙に心が温まった瞬間

毎回、同じ注文をする無口なお客様
学生の頃、私は駅の近くにある小さなカフェでアルバイトをしていました。
夕方になると仕事帰りのお客様が続き、レジの前に列ができることも珍しくありません。
慣れないうちは注文を聞き間違えたり、会計に時間がかかったりして、落ち込む日もありました。
そんな店に、週に何度か来店する一人の男性客がいました。
いつも同じ時間帯に現れ、決まって同じ飲み物と軽食を注文します。
「コーヒーとサンドイッチをお願いします」
必要なことだけを静かに告げ、商品を受け取ると窓際の席で過ごす方でした。
怒っているわけではないのですが、表情がほとんど変わらないため、働き始めた頃の私は少し緊張していました。
それでも何度も接客するうちに、注文を覚えるようになりました。
「いつものご注文でよろしいですか」
そう尋ねると、その方は少し驚いた顔をしたあと、小さくうなずきました。
「お願いします」
それからは、会計の際に「今日は寒いですね」「混んでいて大変ですね」と、短い言葉を交わすようになりました。
無愛想だと思っていた方は、口数が少ないだけだったのです。
アルバイト最終日に渡された封筒
大学の卒業が近づき、私はアルバイトを辞めることになりました。
最終勤務日の数日前、そのお客様に退職することを伝えると、少し驚いた表情を見せました。
「そうですか。寂しくなりますね」
それだけ言うと、いつもの席へ向かっていきました。
そして迎えた最後の勤務日。
夕方になり、その方がいつものように来店しました。
「今日で最後なんですよね」
「はい。今までありがとうございました」
いつもの注文を用意してお渡しすると、その方は会計を済ませたあともレジの前に立っていました。
「これを渡そうと思って」
そう言って差し出されたのは、手のひらほどの小さな封筒でした。
「いつも丁寧に接客してくれて、ありがとう。忙しいときでも笑顔で対応してくれるから、ここに来るとほっとしていました」
私は驚きながら封筒を受け取りました。
休憩時間に中を開くと、小さな便箋に丁寧な字で感謝の言葉が書かれていました。
自分では目の前の仕事をこなすことで精いっぱいだったため、接客を見てくれている人がいたことが、何よりうれしく感じられました。
その手紙は、アルバイトを辞めてからも大切に保管しています。
表情や口数だけでは、その人の気持ちは分からないものです。
無口だった常連客が最後にくれた言葉は、接客の仕事に悩んでいた私に、自信を与えてくれました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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