
新ストップモーションアニメ『犬ヶ島』のポスターが公開され、声優を務める女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)とティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)が再びキャスティング上の問題で物議をかもしている。
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督による同作のポスターは25日に公開され、共演のブライアン・クランストン(Bryan Cranston)やエドワード・ノートン(Edward Norton)らの名前と共に、スカーレットとティルダの名前が日本語で表記されている。
しかしTwitterではこの表記に批判が殺到した。スカーレットは『ゴースト・イン・ザ・シェル』で、ティルダは『ドクター・ストレンジ』で、それぞれのキャスティングが批判されたばかりだ。
「名誉アジア人のティルダ・スウィントンとスカーレット・ヨハンソンが、日本を舞台としたウェス・アンダーソンの『犬ヶ島』に出演」とあるユーザーはツイート。別のユーザーも「制作側はティルダ・スウィントンとスカーレット・ヨハンソンを『犬ヶ島』に出演させることで、2人のアジア人としての民族性を追認するつもり?」とつけ加えた。「ハリウッドはアジア人を消し去っている…今も!」
ティルダは昨年、『ドクター・ストレンジ』にエンシェント・ワンとして起用されたことで批判を浴びた。原作コミックではチベット人男性だが、映画ではティルダが無性別のキャラクターとして描かれている。このキャスティングは原作ファンの怒りを買い、人種を無視して主役級に白人スターを起用する「ホワイトウォッシュ」(白人化)の新たな例だと指摘した。
しかしティルダは、全く新しいエンシェント・ワンを演じるために出演を引き受けたと主張した。
「実際にはアジア人のキャラクターじゃない。まずそれを言っておく必要があるわ」と彼女は米Hollywood Reporter誌で語っている。「アジア人を演じることは求められていなかった」
同様にスカーレットも日本のアニメ『攻殻機動隊』のハリウッド実写版である『ゴースト・イン・ザ・シェル』で主役を引き受けたことで批判を浴びた。しかし彼女は主人公がサイボーグで、人種的なアイデンティティを持っていないと説明した。
「このキャラクターはとてもユニークな経験を生きていて、脳は人間のままでも全身が機械でできているの」とスカーレットは米モーニングショー「グッドモーニング・アメリカ」で語った。「基本的にアイデンティティを持っていないわ」
「当たり前だけど、自分と違う人種を演じようと試みたこともない」とスカーレットは続けた。「私のキャスティングに関する疑問が、観客が映画を観たときに答えられることを願っているわ」
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