
グラミー賞の常連でジャズ界の大物歌手トニー・ベネット(Tony Bennett)は、アルコール中毒で苦しみ、やがて急死した英歌手の故エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse, 享年27)を助けなかったことを後悔している。
ベネットは自伝「Just Getting Started」の中で、ワインハウスとデュエットをした経験を楽しかったと振り返り、彼女の訃報を知らされた時の悲しみを語っている。
「私自身、ドラッグやアルコールで少し苦しんだことがあるだけに、彼女にも悪循環に陥る可能性があると忠告し、それでも立ち直れると伝えておくべきだったのだろうか?」とベネットは11日に発売された同書で告白している。「自分にとってアイドルと考えていた人から、『君は私のアイドルだ。君ほどの才能のある人はめったにいない。それを世界から取り上げないでくれ。できるなら、その全てに背を向けてほしい。ただ生きていてほしい』と言われたら、結果は違っていただろうか」
またベネットは、ワインハウスの中毒を知っていたものの、スタジオでのレコーディング中はその様子はみじんもなかったという。
「エイミーは魅力的で、面白く、チャーミングで、完全なプロだったが、少しシャイだった」とベネットは続けた。「自分がアイドルだと思っていた人とのレコーディングは初めてだから緊張していると言っていた」
ベネットとワインハウスは2011年、ロンドン市内のアビーロード・スタジオで「ボディ・アンド・ソウル」をレコーディングした。同曲は翌年、グラミー賞を受賞。しかしワインハウスはリリース前に急逝した。
同曲の売り上げはドラッグやアルコールの中毒で苦しむ若者を支援する団体「エイミー・ワインハウス・ファウンデーション」に寄付される。
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