イスラエル出身の女優ナタリー・ポートマン(Natalie Portman, 35)が、移民として苦労した家族の思い出に勇気づけられ、監督デビュー作となる新作に向き合ったと打ち明けた。
『ブラック・スワン』などで知られるナタリーは『A Tale of Love and Darkness(原題)』で初めて監督に挑戦した。同作はイスラエル建国当初にエルサレムで苦労を重ねた母と息子を中心にした物語だ。ナタリーにとってこのストーリー展開は子どもの時によく聞かされた話だったという。
「約10年前に翻訳版が出た時に初めて原作を読んで、その瞬間から脳裏に映像が浮かび始めたの」と彼女は15日、米モーニングショー「グッドモーニング・アメリカ」で語った。「最初に監督するならこれでなければならないと確信したわ。そのくらい心にまっすぐ入ってきたからよ」
「子どもの頃に聞かされた話の多くとそっくりだった。父方の家族はイスラエルからの移民だったからよ」とナタリーは続けた。「祖父母は移民として1930年代末にヨーロッパから当時は英委任統治領パレスチナだったイスラエルに渡ったから、こんな話はたくさん聞かされた。想像もしていなかった土地へ移住した人たちにとってはショッキングな状況だった」
監督と主演に加え、ナタリーは同作の脚色も手がけたが、演出と脚色は思ったよりも苦労しなかったとも認めている。
「意外と(書くことは)勇気づけられる経験だった。『プロの脚本家にお願いすればいい』と思ってばかりいたけれど、いろんな人に会っていくと、『君はやり方を知っているし、何がほしいのかを自分で説明している』と言われた。だから自分で脚色することにしたわ」とナタリーは話している。
「(監督することは)もっと大変だと思っていたわ。何かを見て、それを変えたいと思うほうが実は楽だからよ」と彼女は続けた。「説明するための言葉を考える必要はなくて、自分の言葉でやればいいの。それに対して、他の役者には演技の助けになる言葉を見つけてあげないといけない」
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