
米ドラマ「ブレイキング・バッド」などで知られる俳優のブライアン・クランストン(Bryan Cranston)が、日本の「スーパー戦隊シリーズ」をベースにした米特撮シリーズ「パワーレンジャー」で俳優のデヴィッド・ヨスト(David Yost)が演じるキャラクターに対する同性愛差別的な発言を謝罪した。
ブライアンは2009年、エンターテイメント情報サイト「IGN.com」とのインタビューで「パワーレンジャー」の吹替を担当したことについて質問された。若手の頃に引き受けた仕事だったと説明した上で、ブルーレンジャーに変身するビリー・クランストンは自分にちなんで名付けられたと明かし、「彼は頭がおかしい。それが問題なんだ」と語ったという。
ブライアンがゲイを公言し、ブルーレンジャーを演じたデヴィッドのことを言っていたのか、あるいはキャラクターのことを言っていたのかは不明だが、「頭がおかしい」(fey)という単語はステレオタイプなホモセクシャルの特徴をみせる異性愛の男性を意味することもある。
デヴィッドは最近、ブライアンが2017年に公開される予定の新劇場版にゾードン役で起用されたことについて質問され、報じられたコメントのせいでブライアンの復帰には抵抗を感じると説明した。
「あのインタビューを読んだのは僕がカミングアウトする約1年前のことだったけど、すごく傷ついたよ」とデヴィッドは米NBC OUTに打ち明けた。「彼は心の中で、面白いことを言ったと思っているのかもしれないけれど、それこそが面白くないことだし、僕は撮影現場でそう言われ続けた。そしてこうした言葉を聞かされると、やがて精神的に参ってくる。特に(ブライアンが)『それが問題なんだ』と言ったところがね」
デヴィッドのインタビューが放送されると、ブライアンは過去の発言について質問されるようになった。そんな発言をしたかどうか覚えていないと認めつつも、謝罪を表明した。
「正直に言うと、そんなことを言った記憶はありません」とブライアンは同サイトに寄せた声明でコメントした。「しかしヨスト氏が提起したとおり、ユーモアのつもりで言ったことだと受け止めています。衝動的なコメントで誰かの気持ちを傷つけたと知り、深く後悔しています。無神経な発言をした責任を受け止め、ヨスト氏や傷つけられたすべての人に謝ります」
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