
モルディブ共和国のモハメド・ナシード(Mohamed Nasheed)前大統領の弁護を担当している米俳優ジョージ・クルーニー(George Clooney)の妻で英人権派弁護士のアマル・クルーニー(Amal Clooney, 38)に、殺害の脅迫が繰り返し寄せられている。
ナシード氏は2008年、同国で初めて民主的に選ばれた大統領となった。しかし2012年にクーデターで解任され、2015年に反テロ法により13年間の禁錮刑を命じられた。
ナシード氏は今年1月、アマルと同僚らの支援を受け、脊髄手術を受けるためイギリスに出国する許可を得た。アマルはその後、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相と面会し、ナシード氏が帰国した場合は逮捕される危険があると伝え、モルディブ政権への圧力を続けるよう訴えた。
しかしアマルの仕事ぶりに対しては不穏な殺害の脅しが寄せられており、ジョージは妻を守るための対策を強化している。
英バークシャーにある自宅付近で警備を強化するジョージのプランに関わっている南オックスフォードシャー郡のポール・ハリソン(Paul Harrison)顧問官は、アマルの仕事にともなう危険は「かなり深刻」だとしている。
「彼についての警備はそれほどでもないが、彼女の場合は高い」とハリソン氏は英Metro紙に語っている。「ジョージの見方では、彼女のハイレベルな法律業務を考えれば、殺害の脅迫はかなり深刻なものだ」
ジョージの懸念にはもっともな理由がある。アマルの同僚弁護士であるマフフーズ・サイード(Mahfooz Saeed)氏は弁護団がマアフューシ刑務所でナシード氏に面会する直前の昨年9月、首都マレにあるホテルの外で頭を刺される事件があったからだ。ジョージは自宅周辺の高い電柱などに監視カメラを設置したい意向で、夫妻は近隣の住民らと協議中だ。
このプランは「近隣住宅のプライバシーを侵害するおそれ」があるために認められなかったものの、監視カメラの捕捉範囲を6メートルから3メートルに減らすことで住民側が合意したという。
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