
『それでも夜は明ける』などで知られる俳優のキウェテル・イジョフォー(Chiwetel Ejiofor, 38)は、ハリウッドは性的嗜好で人を除外すると確信している。
2016年度アカデミー賞(R)の主要候補者にアフリカ系アメリカ人が2年連続で1人も選ばれなかったため、ハリウッドは多様性に欠けるという批判を浴びている。しかしキウェテルは黒人よりもホモセクシャルの人の方がハリウッドでの成功に苦労すると信じている。
「変わってほしいと思うけど、ゲイであることの方がもっと大変だと思う」とキウェテルは英The Times紙に語っている。「セクシュアリティは今でも、ある意味でオープンな形で除外されている。すごく難しい。自分自身の心、感覚、精神的な健康から言えば、(ゲイであることを)『聞くな、語るな』というのはとてもひどいことだと思う。なぜなら恥だと思う気持ちが生まれるし、自分の『価値が低い』と思うようになるからだ。それは我慢ならない。誰の身に起きてもひどいことだ」
しかしキウェテルは同時に、人の性的嗜好というものは他人に関係のないことであり、当人が望むなら、どんな形であれ仕事のチャンスに影響を被ることなくカミングアウトできるべきだとも力を込めた。
ナイジェリア系英国人のキウェテルは、人種が俳優になる夢の障害になったことは一度もないと_いう。『それでも夜は明ける』で2013年にアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたキウェテルは、2008年に舞台『オセロー』でローレンス・オリヴィエ賞を受賞している。
「もしこれまでのチャンスと幸運がなければ、もちろん今とは違う見方をしていただろう。でも人生で起きたことを、わざと完全に軽視することはできない。発言が少しだけ微妙なものになった」
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