60年代から80年代にわたって放映された「スター・トレック」シリーズでヒカル・スールーを演じた日系人俳優のジョージ・タケイ(George Takei)が、第二次世界大戦中の日系人強制収容所に言及した米大統領選挙への出馬を目指す不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)を批判した。
タケイは2012年、トランプが司会を務めていた米リアリティ番組「アプレンティス/セレブたちのビジネス・バトル」に出演したが、「解雇」されたことがある。
タケイは少年時代、アーカンソー州に設置された強制収容所で4年間をすごしただけに、トランプの最近の発言には深い怒りを感じている。
トランプは先日、米Time誌とのインタビューで、1941年に日本がハワイの真珠湾を攻撃して太平洋戦争が始まった際、アメリカが10万人以上の日系人を強制収容所に連行したことに触れ、これを支持していただろうと語った。
カリフォルニア州生まれのタケイはこのコメントに反応。Facebookでトランプに反論した。
「トランプさん、ジョージ・タケイです。『アプレンティス』でクビになったあのタケイです。覚えてますか?」
「あなたは大統領選挙を目指していますが、発言のいくつかで大勢の人が心配しています。発言したという事実だけではなく、同意するようなアメリカ人の数にも不安を感じています。あなたは最近、Time誌で第二次世界大戦中の日系人の強制収容を支持していただろうと発言しましたよね」
「『つらい』ことだが、そこに行かざるを得なかったと言いましたね。でもトランプさん、私はそこにいたのです。そして、あなたもそこに行く方法はあるのです」
こう語ったタケイは「強制収容所の本当の姿の一部をドラマ化」した自身のブロードウェイ舞台「Allegiance」(忠誠)にトランプを招待した。
「それがどれほどつらかったのかを快適な席で確認したいのなら、私たちと共に収容所に行き、あなたが選挙戦で訴えているのと同じような恐怖政治のおかげで不当に収容された日系人家族が送っていた生活の片鱗を見ることができます」とタケイは訴えた。
フランスのパリとカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生したテロ事件を受け、アメリカの指導者はイスラム教のモスクを閉鎖し、イスラム教徒の入国を拒否すべきだと提案したトランプは、来年の大統領選挙の共和党候補者争いでトップの支持率を誇っている。
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