カナダ出身の女優エレン・ペイジ(Ellen Page)が同性愛者であることをカミングアウトしたのは、ロシアのフェミニスト・パンクバンド、プッシー・ライオット(Pussy Riot)のドキュメンタリー映画が背中を押してくれたからだと感謝している。
2007年の映画『JUNO/ジュノ』などで知られるエレンは2014年2月、人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」が主催したカンファレンス「Time to THRIVE」でのスピーチの最中にゲイであることを告白。その後も同性愛に関して積極的に発言しているが、自身のセクシュアリティについて必ずしも常にオープンに語ってきたわけではない。
「プッシー・ライオットのドキュメンタリーを観ていて、『この人たちの勇気ってすごい』と思ったのが忘れられない。『カミングアウトすべき。ゲイだと公言すべきだわ。自分は恵まれているし、家族もいる。言い訳はできない』という気持ちになった。それはやがて、正直に言うと罪悪感も感じていたけど、カミングアウトするのはごく当然だという確信になっていった。率直に話すことが、道徳的な要請とでも言うべきものになっていったわ。状況はかなり進展しているけど、アメリカやカナダをはじめ、世界ではまだまだ苦しんでいる人たちが多い」とエレンは米Time誌に語っている。
『モスクワ パンクバンドの反乱』は2013年に公開された。プッシー・ライオットはモスクワの教会の階段でパフォーマンスを行ったことで逮捕されたが、その裁判の経過を追う内容となっている。
エレンはこのテーマに心を揺さぶられただけではなく、仕事でも影響を受けた。次回作に選んだのは、1人ががんと診断されたレズビアンカップルを描く『Freeheld(原題)』だ。
同作ではジュリアン・ムーア(Julianne Moore)がパートナーを演じているが、エレンはレズビアンを演じることが勇敢だと思ってほしくないと訴えている。
「攻撃的な態度すれすれだと言えるわ」とエレンは怒りをにじませた。「ストレートの人を演じることで勇敢だと思われることはありえないし、それはあってはならないことだと思う」
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