これまでにグラミー賞を21回も受賞した米ラップ歌手のカニエ・ウェスト(Kanye West, 37)は17日、ビルボード・ミュージック・アワード授賞式のクロージングを務め、ステージでセオフィラス・ロンドン(Theophilus London)、アラン・キングダム(Allan Kingdom)と共に「オール・デイ」や「ブラック・スキンヘッド」などヒット曲を披露した。
しかし、ほとんどの音声が消されていたため、ステージを観ていた視聴者には曲の大部分が聴こえずじまいだった。カニエはパフォーマンスのほとんどが放送禁止にされたことに激怒している。
「カニエ・ウェストはビルボード・ミュージック・アワードで極めて過剰な検閲を受けました。『オレのレザーのブラックジーンズを着て』のような問題のない歌詞でさえ、30秒の間隔を置いて消音処理されていました」とカニエの広報担当者は米Entertainment Weekly誌に寄せた声明でコメントしている。「その結果、彼の声とパフォーマンスは深刻なほど不正確に伝わってしまいました」
米連邦通信委員会(FCC)が作成した規則では、特定の悪態や裸はある種の番組での放送を禁じられている。しかし今回のカニエのパフォーマンスで消音処理された歌詞のほとんどは、FCCがひわいと判断するようなものではなかったとみられている。
「アーティストが2015年という時代になっても不当な検閲と闘わなければならないのは不合理です」と声明は続けている。
カニエ側によると、カニエ自身は検閲でファンが裏切られたと感じていることに怒りがおさまらないとも主張している。
「生放送の最中に、ウェストが自分でコントロールできない要素と直面させられたことは明らかですが、彼は想定通りにパフォーマンスを楽しんでもらえなかったことを視聴者に謝罪しています」と声明は締めくくった。
またカニエの姿はビルボード・ミュージック・アワードのステージでほとんど見えなかった。演出上の炎や煙で、カニエがヒット曲を熱唱する様子をファンが楽しむのはほとんど不可能な状態だった。
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