『007』シリーズ最新作『Spectre(原題)』のスタッフが、ローマ市内の荒れた地域の清掃に一肌脱いだ。
『Spectre』の撮影は現在、ローマ市内で撮影が行われている。現場近くの住民らは当初、近所が混乱するのではと懸念していた。しかし今では最も疑り深い人たちでさえ、悪影響以上に利益をもたらしていると認めざるをえないようだ。撮影スタッフは市議会とタッグを組み、地域を清掃して落書きを消すために力を貸したからだ。
しかし作品がローマにもたらしたのはそれだけではなく、伊メディアによると、撮影班が雇った民間警備会社は無許可で営業していた駐車監視員を一夜にして追い出したという。ローマ市当局は以前からこの問題に悩んでいただけに、かなりの成果だと言っていいだろう。
さらに、警備員らはバチカン周辺のホームレスの人たちに温かい食事を提供したり、ローマ市の経済に大きな効果をもたらしたりしているという。ロケ撮影の料金は約100万ポンド(約1億7,900万円)とみられており、気前の良い残業手当という形の奨励金のおかげで、議会職員らも遅刻なしで登庁しているらしい。
しかし、ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)をはじめ、キャスト陣にとっては良いニュースばかりでもないようだ。英ウェールズ国民議会はカーディフ湾にあるセネッド議事堂での撮影の申請を却下した。
「セネッド議事堂はウェールズ民主主義の本拠地であり、ウェーズル政府の所在地だ」との声明が出されている。「議会運営に関連があるか、ウェールズ市民生活の焦点としての議事堂のステータスを反映するものであれば、メディア活動の一部は認められている」
「ドラマスタジオではない」
『Spectre』は今年11月の公開が予定されている。
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