殺人を依頼しようとした疑いで訴追された豪ロックバンドAC/DCのドラマー、フィル・ラッド(Phil Rudd, 50)容疑者について、検察が訴追を取り下げた。
豪出身でニュージーランド在住のラッド容疑者は6日、タウランガにある自宅に摘発に入った地元警察によって逮捕された。英The Guardian紙によると、第三者への殺人の依頼、殺害の脅迫、メタンフェタミンと大麻の所持の疑いで身柄を拘束されたという。
しかし米USA Today紙は、タウランガ検察官のグレッグ・ホリスター=ジョーンズ(Greg Hollister-Jones)が、なぜラッド容疑者がこのうち1件の容疑で訴追を取り下げられたのか説明したと伝えている。
「訴追は本日提出されたが、検討の結果、殺人を依頼しようとしたとする容疑での訴追は証拠不十分だと判断した」とホリスター=ジョーンズ検察官はコメントしている。
ラッド容疑者のドラッグ所持と殺害脅迫の容疑の取り下げはない模様だ。代理人を務めるポール・マベイ(Paul Mabey)弁護士は、警察は検察と証拠材料を議論することなく、一連の犯罪で依頼人の訴追を急いだと主張している。
「殺人を依頼しようとしたとする容疑は適用すべきではなかった」とマベイ弁護士が語っている。「ラッド氏は、いかなる根拠においても立証されない重大な疑惑が、広く、そしてセンセーショナルに報道されたため、不必要かつ極度に評判を傷つけられた。ラッド氏が被った損害は計り知れない」
ラッドは6日午後に出廷したが、公聴会の間は一言も語ろうとしなかった。保釈金を納めて釈放されたものの、タウランガの外に出ることは禁じられた。
ラッドはメディアに事実関係について語ろうとせず、最新型メルセデス・ベンツで法廷を後にしたと地元New Zealand Herald紙が伝えた。
ラッドは1975年にAC/DCに加入。1983年に脱退したが、1994年に復帰した。AC/DCは年内に『Rock or Bust』というニューアルバムをリリースする予定だ。
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