音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)と歌手のロビン・シック(Robin Thicke)の大ヒット曲「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」は盗作されたものだとして、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の遺族が訴訟を起こしたことが分かった。
ファレルとロビンは1年以上前から訴訟トラブルに巻き込まれてきた。ことの発端はロビンとファレル、そして同曲でラップを担当し、T.I.(ティーアイ)として知られる歌手のクリフォード・ハリス・Jr.(Clifford Harris Jr.)が2013年8月、モータウンの伝説歌手として知られたマーヴィンの1977年の名曲「黒い夜」を盗用したと指摘する向きに対し、先手を打って権利を守る動きを見せたことだった。
遺族側は対抗訴訟を起こし、ロビンとファレルが「ブラード・ラインズ」のために「黒い夜」の要素を盗んだと非難。また、ロビンの「ラブ・アフター・ウォー」はマーヴィンの「アフター・ザ・ダンス」の盗作だとも主張している。
ジョン・A・クロンスタット(John A. Kronstadt)判事は10月30日、ファレルとロビンが提出した略式判決の申し立てを却下し、裁判にかける必要があると判断したと米Billboard誌が伝えている。
今回の決定で判事はマーヴィンの遺族が「『ブラード・ラインズ』の要素が、著作権が保護されている『黒い夜』のオリジナルの要素と実質的に酷似していることを証明するのに十分な成果を挙げた」と指摘し、「被告側は特に分析的解剖の目的のため、こうした要素と特殊性を同一視した」とつけ加えた。
クロンスタット判事はさらに、原告と被告双方によって雇われた専門家による「特徴的なフレーズ、さび、ベースライン、キーボードコード、ハーモニー構成、ボーカルメロディ」で「相反する分析結果」が認められるとも判断した。
陪審員の判断は楽譜上の楽曲に限定される。
また判事はロビンが4月に行い、後に米Hollywood Reporter誌が報じた宣誓供述書についても言及。この中でロビンは、作曲作業における自分の貢献についてメディアで発言してきたことは誇張したものだったと告白。その理由は「その年はドラッグとアルコールの問題で苦しんで」おり、「シラフの状態でインタビューに応じていなかった」からだという。
判事は「シックの一貫性のない発言は複製の直接の証拠にはならない」とした上で、被告が役割を果たした部分では「黒い夜」の「利用を隠した」ことを意味していると断じた。
裁判は2月10日に開かれる予定となっている。
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