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18.06.18(Mon)

【女子のケモノ道】 vol.13 次世代のソフィアとクロエ、ここに降臨!『レディ・バード』のすべてが新しい。

宮坂 淑子

宮坂 淑子 DiFa 編集長

1974年生まれ。デジタルとファッションを繋ぐウェブサイト「DiFa」編集長(https://www.difa.me)フリーランスライター、ロッキングオ...

前置きなく書かせていただくと、久しぶりなキター! な作品に出会えたことにありがとう。巷で話題。ひとり足を運んだレイトショーで『レディ・バード』にしてやられてきました。

小学生から今に至るまでの少女漫画の鬼読みから形成されている右脳、いや全能が両手をあげてはしゃぎまくっている今作は、「ハイスクール」「青春」「初恋」「片想い」「友情」「初体験」「家族愛」以降自主規制……といった、私の大好物のキーワードが炸裂している。

 

 

儚さを感じる逆光炸裂のローファイな映像に、ネオンカラーの包帯姿やアシッドなレッドヘアといったヴィヴィッドなアクセントがセンス良く散らばるその様は、まさに「自分には懐かしいけど、若い子たちには新鮮な90年代」。そこにはスマートフォンやSNSは存在せず、デジタルネイティブちょい前世代。というところも作品に特殊な影を落とし込んでいる。(やっぱりスマホとSNSがあるとないとじゃ、生活も恋愛も大きく変わるし)。

 

 

そんなこんなで抜群の映像美であったり、絶妙な時代背景であったり、家族への愛だったり、故郷への愛だったりと、私でなくとも、多くの女子心をつくポイントが随所に山積されている。……のはもちろんなのだが、果たして自分がここまで掴まれたのはどうしてかと言えば、このふたり映画監督と主演女優がまんまソフィア・コッポラとクロエ・セヴィニーの新世代版なんじゃ? と。だからなんじゃ? と。

 

 

マイク・ミルズの『20センチュリー・ウーマン』でちょっとクレイジーな赤毛の女性カメラマンを演じていた彼女こと、女優としても活躍する監督のグレタ・ガーウィグ(写真右)は、時代は変われどティーンネイジャーなら誰もが抱える霞みがかった心情を、絶妙にすくい取ることのできる新たなるガーリーの旗手。主演のシアーシャ・ローナン(写真左)は女優にしてはちょっと大きめの顔に、ファンデがのらない荒れた肌(ごめん)。抜群の演技力をもってして、そこにいるのはあくまでもリアルな女の子......というその佇まいは『KIDS』のクロエそのもののような気がする。(立ってるだけでおしゃれ感を出しまくってるってのも似てる)。また、映画の大切な要素であるサントラはソフィア・コッポラとブライアン・レイツェルよろしくグレタ・ガーウィグとジョン・ブライオンというコンビネーションの妙も、なんだかソフィアたちをなぞらえるものがあるような。

 

 

そのほか、ダサかわいくて、これまた女子心をキュンキュンさせる衣装を担当しているのが『20センチュリー・ウーマン』のエイプリル・ネイピアであること。映画で重要な鍵を握るひとりとして『君の名前で僕を呼んで』で注目を集めている、ティモシー・シャラメがさらっと登場!など、随所に散りばめられた宝石のような演出が、これでもか、これでもかとキラキラと輝いている。

2018年はソフィアの『ビルガイド』が自分内ランキング1位! と思い込んでいたが、新世代のアンファンテリブル、グレタ・ガーヴィックによってそれが塗り替えられてしまったことをここに白状しておく。ついでにしばらく筆を置かせていただいていたこのコラムも、この作品が「また書こう、書いてみよう」と私を焚きつけてくれたこともステイトメントしておきます。どうぞこじらせ40代女子こと私が綴る日々の駄文が、少しでも誰かの笑いを誘えますように。


『レディ・バード』
TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開中!
配給:東宝東和
公式サイト
© 2017 InterActiveCorp Films, LLC./Merie Wallace, courtesy of A24