GLAM Editorial

2017.09.01(Fri)

時を超えて受け継がれる日本の美を、口唇に。オンナの格がUPする、お祝い事のギフトとは?

世界中で職人はたった二人。江戸時代から続く究極のナチュラルコスメ。器も中身も純国産——。たくさんの希少性と伝統が詰まっている「小町紅」をご存知ですか?

文政8年(1825年)創業の伊勢半本店が9月1日から期間限定で発売する「小町紅『手毬』」は直径わずか4センチ。丸いフォルムがなんともキュートな有田焼を開けて現れるのは、玉虫色に輝く紅。これは山形県最上川流域で栽培された最上紅花を江戸時代から変わらない秘伝の製法で仕上げた、純国産・100%ナチュラルな口紅です。

見た目とは裏腹に、水を含ませた筆で触れると一瞬で赤に変化する小町紅。一人一人が持っている色素に応じて発色するので、紅を点(さ)す人によって異なる赤味が生まれるのも興味深いポイント。色を重ねるごとに赤が深くなるので、濃淡も楽しめます。

小町紅「手毬」は9月1日から11月19日までの期間限定で発売。伝統的な和柄を有田焼に施した全3種があり、持ち運びができる巾着つき。左から「あさのは」「花てまり」「菊千代紙」各9,720円、紅筆は1,944円(別売り)。

愛でる楽しさと使う喜びが共存する小町紅は、出産や七五三、ひな祭り、成人式、結婚、還暦など女性の一生を彩る節目のギフトに多く選ばれているといいます。その理由は、伝統的に紅色は吉事や魔除けに使われているから。そしておそらく、プレゼントする人も受け取る人もその長い歴史に伴う、たくさんのストーリーをやり取りするような特別な気分になれるから!

紅の原料となる紅花畑に足を運んでみると……。

小町紅に使用されている紅花は、江戸時代より質に定評のある最上紅花。なかでも山形県の山間にある小さな町、白鷹町は国内の紅花生産量日本一です。4月に種を撒き、夏至から11日目を目安とした7月上旬に開花、収穫の時期を迎えます。花が咲き広がる様子はちょっとドラマチックで、まず1輪の花が開くと、その周辺の蕾が徐々に開花して一面に橙色が広がります。

なだらかな山並みを背景に花が咲き誇る様子を長く楽しみたいところだけれど、開花から早すぎても遅すぎても良い色が出ないため、花摘みシーズンの2週間は猫の手も借りたいような忙しさに! トゲがあるのに紅花摘みの機械化は難しく、すべて手摘み。だから、湿度でトゲがやわらかい早朝の時間帯が勝負です。

収穫された花弁を何度も水洗いして黄色の色素を抜き、発酵させ、臼でついたら丸めて乾燥させ「紅餅」と呼ばれるお煎餅のような形にしてようやく出荷できる状態に。300輪分の花弁で紅餅1枚が作られ、江戸時代は金の10倍の価値があるとされた時期もあるほど、とても高価なものだったそうです。

生産農家から紅餅が紅屋の手に渡ると、紅屋は紅餅から紅の元となる「紅液」を絞り出し、色素を結晶化させた上で水分をろ過して「紅」を作ります。この紅を職人が筆で器に塗りつけて、ようやく「小町紅」が完成です。ちなみに、紅花の花弁からとれる赤色の色素は色素全体のたった1%。おちょこ1個に紅を刷(は)くには、なんと1000輪分の花弁が必要だといいます。紅が玉虫色に光るのは純度が高い証拠で、それを江戸時代から作り続けているのは伊勢半本店だけ。しかもその製法にマニュアルはなく、口伝で受け継がれるという徹底ぶりです。

語りつくせないほどのストーリーがある小町紅。お祝い事のギフトにぴったりなのはもちろんですが、どこまでも控えめな佇まいが日本らしいと評判を呼び、最近ではいくつも買って帰る外国からの旅行者があとを絶たないほど。南青山にある「伊勢半本店 紅ミュージアム」(入場無料)では、紅にまつわる貴重な資料や販売コーナーのほか、実際に小町紅を点す体験もできます。時を超えて受け継がれる日本の美と彩りを再発見しに、ぜひ一度訪れてみて。

「伊勢半本店 紅ミュージアム」
住所:東京都港区南青山6-6-20 K's南青山ビル1F
電話番号:03-5467-3735
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで。企画展開催中は開館時間に変更が生じる場合あり)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、翌日休館)、年末年始
公式サイト

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