
The Safari Collection | Giraffe Manor
■キリンが住む貴族の館
動物大国、ケニアの首都ナイロビ。街の中心部から少しばかり車で走るとアフリカらしい自然が広がり木々が自生するエリアにたどり着きます。そこにあるのはイギリス貴族の館を模した邸宅(マナーハウス)。煉瓦造りの壁には蔦が這い、しょうしゃな館はいかにも居心地が良さそう。ところが何だか様子が変です。よく見ると、貴族の館にはいかにも不似合いなある動物が周りをウロウロ……。そう、ここはケニアで話題の、キリンが訪問してくるホテル「ジラフ・マナー」だったのです。

Five O'Clock Somewhere: Giraffe Manor, Nairobi's Animal Haven - Forbes
■ジラフ・マナーとは
元々ジラフ・マナーは、1934年にイギリスの菓子メーカー創業一族によって、貴族のハンティングロッジを模して建てられたしょうしゃな館。その後、持ち主が移り変わり、絶滅危惧種であるキリンの生息地域だったことから、当時のオーナーがキリンの保護活動を始めます。1984年からはホテルとして利用されるようになり、現在は野生動物保護家のイギリス人夫妻が管理をしています。■キリンと一緒に朝食はいかが
このホテルが実にユニークなのは、ホテルとキリンとの間に境界線などないという点です。ジラフ・マナーに住む8頭のキリンは放し飼いにされていて、動物園のような柵などなくキリンが当たり前のようにホテルの周りをウロウロしているのです。
Giraffe Manor - Photos
とりわけ、朝食の時には唯一無二の体験をすることに。アフリカの大地に力強い朝陽が昇ってくる頃、心地よいサンルームでは美味しそうな朝食が準備されています。窓からは朝の光が差し込み、自然の風が吹いてきてなんとも夢心地。さて、いただきます!とナイフ、フォークを構えたその時、朝一番の訪問者がやってきました。ヌッと窓から覗きこんできたのは、紛れもなく巨大なキリンです。けれど恐れることはありません。ジラフ・マナーのキリンたちは非常におとなしく人にも慣れているため、人間を襲ったり暴れたりすることがありません。それどころか、頭をなでたり手から餌を与えたりすることができるのです。私たちの朝食と一緒にキリンたちのごはんも用意されていて、一緒にテーブルを囲むことができてしまうのです。

The Safari Collection | Giraffe Manor
■快適さも兼ね備えて
ジラフ・マナーが人気を誇るその訳は、キリンと触れ合えるだけでなくホテルとしての質が高いということ。設備、サービスの面でも元貴族の館だけあって全てが快適。自然や動物と触れ合えて、しかも居心地の良い滞在を可能とする、まさに良いとこ取りのホテルなのです。
Giraffe Manor | Hotels in Nairobi | Audley Travel
日が暮れて暖かな灯りの灯るテラスや中庭でのディナー、もちろん傍にはキリンがいます。昼間は手の届くほどの場所に広がるアフリカの原生林を巡ってバードウォッチング、キリンの他にジラフ・マナーの敷地に住むイボイノシシの家族に遭遇したりすることも。

Giraffe Manor - Project Wedding Blog
■自然を見つめ直すきっかけに

Giraffe Manor - Photos
人間の一方的な都合によって破壊された自然と、それによって絶滅が危惧される野生動物たち。人間にとって快適なものは野生動物にとっては身に危険を及ぼすもの。しかし、このジラフ・マナーではそういった人間側と野生側との境界線が取り払われ、人間にとって快適でありながらその一歩外には完全なる野生の世界が存在する、非常に珍しい施設なのではないかと思うのです。また、ホテルの収益は全てアフリカの絶滅危惧種保護活動費に充てられています。ジラフ・マナーに滞在しながら、自然環境というものを見つめ直すきっかけとしてみてはいかがでしょう。
◇Giraffe Manor
http://www.thesafaricollection.com/properties/giraffe-manor
実際の旅行記&旅のエッセンスが詰まったブログ公開しています!
“元添乗員の国外逃亡旅行記” http://mamfuj.hatenablog.com/