仕事にもプライベートにも前向きで、充実した日々を過ごすGLAM世代の女性たち。社会で活躍するなかで、ときには人知れずモヤモヤを抱えてしまうことも……。今回はSNSの"いいね!"がほしくて買い物がやめられない女性たちに、心療内科医の牧野真理子先生が“心の力を抜く”アドバイスをお届けします。
【今回のお悩み】
「”いいね!“がほしくて高級ブランドでの買い物がやめられない。収入以上に浪費してしまいます」
(T子さん メーカー事務職・37歳)
【T子さん】私、ショッピングが趣味なんです。銀座とか表参道とか、高級ブランドショップが建ち並ぶ街に出かけるのが好き。きらびやかな雰囲気で歩くだけでも楽しいんですけど、お店に入って試着して「お似合いですね」って言われるとつい「じゃあこれいただきます」って買ってしまう。
あるときSNSに有名ブランドの限定小物をアップしたら過去最多の”いいね!”がもらえて。それからはSNSのために限定品の発売日に半休取って並んだり、色違いの小物を両方買ってみたり。そんなことを繰り返しているうちにカードの請求額がどんどん増えてしまって……。「見るだけ」と決めていても、やっぱりお店に入るとどうしてもほしくなってしまう。最近では月の収入を超えるほど浪費していることもあって、さすがにこれはマズイとわかっているのですが、やめられないんです。
【Dr.牧野】ショッピングは女性なら誰でも楽しい体験ですよね。おしゃれな方は特に、ご自身のセンスを生かして似合うものを見つける喜びがあると思います。ただし、もし高級ブランドばかりを好んで購入したり、度を越すほど買い物してしまうなら、その裏側には別の心理が隠されているかもしれません。
【T子さん】別の心理……? ストレス発散とかでしょうか?
【Dr.牧野】ひとつには、そういう面もあるでしょうね。ブランドを好む心理ですが、そもそも高級ブランドには長年の歴史があり“価値ある存在”というイメージがありますよね。セレブリティが愛用している“憧れ”もあるでしょう。ブランドものを身につけることは、そんな特別な価値や憧れのイメージをまとう気分になるのではないでしょうか。
【T子さん】確かに、“ブランドものを身につけている私って特別”みたいな感覚はあるかもしれません。友だちの中にはプチプラでセンスのいいものをSNSにアップする子もいるけど、私はそういう気持ちになれなくて……。
【Dr.牧野】 本来、SNSでシェアする情報は、そのお友だちのように身近なものでもいいはずですよね。でもブランドものばかりアップしたいなら、それはある意味で“自分に対する自信のなさ”が表れているのかもしれません。そしてもう1つ。買い物に依存する心理の裏側には、もっと根本的な、幼少期にさかのぼる経験が関係していることもあります。
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【Dr.牧野のGLAM外来】
vol.1「結婚はしたい。でも、せっかくだから一発逆転したくてスペックが譲れない……」
vol.2「週末はひとりでダラダラが好き。でも、SNSで友人のリア充ライフを見ると落ち込みます」
vol.3「ストレスで食欲が暴走。食べ過ぎては落ち込む、悪循環をもうやめたいんです」
vol.4「ストイックに筋トレする私。身近な人にも厳しく接してしまいます」