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「姉より妹が先に式を挙げるなんて、うちじゃ考えられない!」妹の結婚式で詰め寄ってきた親戚。だが、あえて言わなかった本音とは

妹の結婚式で詰め寄ってきた親戚
妹の結婚式は、桜が散り始めた頃の小さな式場だった。
その日は親族席の前列で拍手を続けていた。
ちなみに私は妹より1ヶ月後に式を控えており、親族には事前にアナウンス済みだった。
その時、ロビーに出ていた私の前にずかずかと父方の年配男性が現れた。
グラスを片手に、眉間に深いしわを寄せている。
「順番が逆じゃないか!」
声は廊下の奥まで響くほど大きく、近くの親族が一斉に振り返った。
妹の挙式が終わってまだ30分も経っていない。私は咄嗟に言葉が出ず、グラスを持つ指だけが止まった。男性はそのまま続けた。
「姉より妹が先に式を挙げるなんて、うちじゃ考えられない!」
私は、1ヶ月後に控える自分の式の話も既に通っていることを丁寧に説明した。
男性はその場では納得した顔も見せず、酒を継ぎ足しに会場の奥へ消えた。胸の中で何かが小さく転がる音がした。
頭の中で華麗に投げ返したブーメラン
口に出したい言葉は、本当はその場で全部用意できていた。
だが結婚式の親族席で叫ぶ趣味は私にはない。私はグラスを持ち直し、ゆっくり頭の中だけでブーメランを投げ返した。
その親戚の家には、長男と次男の兄弟がいる。
10年ほど前、次男のほうが先に結婚した。
盛大な披露宴を開いて、男性は上座で何度も乾杯の音頭を取っていた。
当時の長男は30代後半、もちろん独身だった。
「順番が逆」
これは自分の家で10年前にとっくに起きていた現象だ。
10年前のその式で、男性は誰にも順番のことを言わなかった。むしろ次男夫婦の門出を派手に祝い、私の母にも「結婚は本人が決めることだから」と上機嫌で語っていた。
今日の妹の式で、自分の口から出てきた言葉とは真逆の理屈だった。私は妹のドレス姿を遠目で見つめ、口角だけを上げて笑った。
10数年経った今も更新中の独身記録
あの妹の結婚式から10数年が過ぎた。
私は予定通り1ヶ月後に式を挙げ、妹は二児の母になっている。私自身も子供たちが学校に上がる年齢になった。だが、あの日「順番が逆だ」と叫んだ親戚の家では、長男はいまだに独身のままだ。
「もうすぐ還暦らしいよ」
母から数年前に聞いたとき、思わずグラスを止めて宙を見上げた。
あの日詰め寄ってきた男性の長男は、次男が結婚してから10数年経ってもまだ家にいる。
当時30代後半だった長男は、いまや50代。順番が逆の記録は、彼の家で日々静かに更新され続けていた。妹の結婚式で頭の中だけで投げたブーメランが、10数年かけて綺麗な弧を描いて元の家へ戻った気がした。あの場で言い返さなくて、本当に正解だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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