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17.03.15(Wed)

有給取り放題!? フランスと日本「働き方改革」の違いとは

ELIE INOUE

ELIE INOUE Fashion Journalist

神戸の大学を卒業後、単身渡米。NYのファッション業界に携わり、雑誌のライター・コーディネーターとして経験を積む。現在はParisをベースにヨーロッパを駆け回りながら、海外取材やコレクションを通してトレンド分析・考察するジ...

youngu woman napping on laptop

ライフスタイルや働き方の多様化はますます進んでいます。日本でも、プレミアムフライデー制度が実施されるなど、「働き方改革」の元年を迎えました。

筆者はパリ在住で日本の企業とリモートで仕事を進めるなど、ノマドワーカーの一人。筆者のようにフリーランスで自由な働き方をしている人は、日本よりもパリが断然に多いと感じます。職業としてはフォトグラファー、ヘアアーティスト、作家、画家、プログラマーなど様々ですが、自分の手で何かを生み出すクリエイター系がやはり多いようです。芸術の国らしく、才能さえ認められればクリエイターやアーティストとして食べていくことができるのも、フランスと日本の違いかもしれませんね。とはいえ日本に比べてフリーランスの比率が高いだけで、フランスも企業に勤める労働者の割合が大半を占めています。

しかし、日本とフランスでは働き方や仕事に対する考え方は大きく異なり、労働者に優しい法律が数多く存在しています。日本から見ると、天国に思えるかも!?

まずフランスには「週に35時間以上労働者を働かせてはいけない」という法律があります。残業が発生すれば残業代が必ず出ます。これは日本も法律上は同じですが、サービス残業などグレーな労働時間があるのは事実ですよね…。フランスの場合、“残業をする=無能”とみなされるので時間内に終わらせようとする人が多いですし、企業側も残業代を出さないように残業はなるべくさせないようにします。

(日曜日の静かな通り)

有給はあっても取らない日本人と、バカンスのために働くフランス人では休み方も大きく違います。有給休暇は年間30日認められており、取らないと企業が原則に反するため、国や役所から咎められることも。もちろん有給を取りづらい“空気”なんてものは皆無!むしろ上司から「有給を取りなさい」と言われるほどだそうです。

さらに、今年1月1日に施行された新たな法律によって、「労働者は業務時間外に業務メールを無視してもいい」という権利を獲得しました。退勤後やバカンス中、見えない鎖からも解放されるのです!実際に業務時間外にメールを確認・返信する時間自体はわずかなものだとしても、「いつ連絡が来るか分からない」「来たらすぐに返さねば」などといった、精神的なストレスが軽減されるという点で、労働者にとってはとても喜ばしい法律です。

(ギャラリーラファイエット館内)

国の新たな法律の施行に加え、パリ市の条例も今年3月変更がありました。これまでは法律で許可されているお店以外は原則日曜営業禁止。パリジェンヌの日曜日の過ごし方は、映画館や公園、マルシェでの買い物が定番でした。条例が緩和されたことにより、すでに大手百貨店ギャラリーラファイエットは日曜営業を開始、世界最古の百貨店ボンマルシェも今月12日より日曜営業を始めたのです。

(パリの公園内)

ここで疑問に残るのは、労働者に優しいフランス社会はどのように回っているか、ということ。実はフランス企業にはカードル(フランス語で「枠」を意味する)という存在があり、簡単に言うと社内エリート層のこと。有能な人材はカードルに採用され、高給が支払われる代わりに労働時間に関係なく長時間勤務するのです。学歴や就職で失敗を重ねてもカードルに入ることは可能で、努力や能力によって分類されます。高い給与をもらって馬車馬のように働くか、生活できる最低限の給与でプライベートの時間を充実させるか、どちらを好むかは人それぞれかもしれませんね。

フランスも日本も、「働き方改革」は今後さらに変化が見られそう。制度や法律に関係なく、個人個人がオンオフともに充実させて、ライフワークバランスが推進されることを願うばかりです。