17.05.19(Fri)

【現代恋愛図鑑】vol.08 イケメンとつき合えば女が上がる?~トロフィー彼氏~

島田佳奈

島田佳奈 作家/コラムニスト/AllAbout恋愛ガイド。

豊富な体験と取材から得た“血肉データ”による独自の恋愛観が定評。 『人のオトコを奪る方法』『アラフォー独女の生きる道』他、著作多数。

個人の価値は、その人が持つスキルや魅力や人脈や資産など、接する人により判断基準が異なる。
「夫のスペック」をそこに含めるのは、女性ならではの視点かもしれないと思ったが、男性にも「トロフィーワイフ」を望む人が一定数いることから、パートナーまで判断基準にする人は少なくないのかもしれない。

トロフィーワイフとは、成功した男性がその社会的地位を誇示するため、誰もが羨むような「若くて美しい妻」を獲得することである。

成功者の中にも、年上好きや知性を最上とする男はいるだろう。
しかしトロフィーワイフを所有したがる属性の男たちは、他人から羨望されることを最大の喜びと考える。彼らは若さや美しさといった「最大公約数の男が好む」アイコンを基準に妻を選ぶ。

たまたま世間と自身の好みが合致しているケースもあるかもしれない。だが苦労していた時代に選んだ「糟糠の妻」を捨ててまでトロフィーワイフを獲得する男もいるあたり、他人軸を意識せずにはいられない性質なのだろう。どれだけステイタスがあっても、あたしに言わせれば「ちっさい男」だ。

トロフィーワイフと称される当の女たちは、地位や財産といったステイタスがその男にあるからこそ寄ってくる。
破産して一文無しになったり、犯罪を犯して塀の中に入ってしまったり、悪行が露呈し世間から糾弾されてしまったら、手のひらを返したように離縁されるに違いない。
ステイタスを誇示する男と、若さと美貌を利用しステイタスのある男に取り入る女という構図。お互いメリットで繋がる関係ならお似合いだ。

ただそれが男女逆の場合は、少々趣が異なる。

スペックの高い彼氏(または夫)を得ることで自身の価値までアップしたかのように考える女性は、実はかなり多い。
「夫にするなら高収入な男がいい」ならば、相手は「年に数日しか帰宅しないマグロ漁業」「危険と背中合わせのガテン系男子」「まるでニートだが大金を稼ぎ出すデイトレーダー」だっていいはずだ。職業に貴賤はない。

だが彼女らが望む高収入な男は「名の知れた企業に勤めている」「起業した会社を上場させているCEO」「知名度の高い有名人」あたりに属していることも条件だったりする。
つまり「他人に自慢できる夫」になれる男だからこそ、その妻に君臨することで自身も成功したと錯覚したいのだ。

トロフィー彼氏を求める女たちは、自身の収入や資産や若さや美貌を武器にしていない。
むしろ自身に武器となるものがないからこそ、相手に求めるスペックが高くなり過ぎているように見受けられる。

おもしろいことに、成功した女が「トロフィーハズバンド」を得るという話はあまり聞かない。
むしろ成功した女たちは、自身が何もかも持っているからこそ、相手の男にスペックを求めない。マドンナや浜崎あゆみがダンサーとつき合ったりしたのは、その典型といえる。

適齢期の女にとって、恋愛の延長に結婚を考えていないケースは少ない。「プロの独身」を目指していない限り、彼氏には「将来夫にしてもいい男」を選ぼうと考える。

パートナーに高スペックを求めるだけで自身を磨こうとしない女は、残念ながら高スペックな男からは選ばれない。例外は、若さと美貌を兼ね備えた「トロフィーワイフになれる女」だけだ。

トロフィー彼氏を求めてもいい。だが自身を磨いて「釣り合いの取れる女」になるほうが、いい男をつかまえる近道であることは、覚えておいたほうがいい。