17.04.21(Fri)

【現代恋愛図鑑】vol.04 犬を飼うように男を飼う~ペット恋愛~

島田佳奈

島田佳奈 作家/コラムニスト/AllAbout恋愛ガイド。

豊富な体験と取材から得た“血肉データ”による独自の恋愛観が定評。 『人のオトコを奪る方法』『アラフォー独女の生きる道』他、著作多数。

男をペットにするといえば、往年の少女マンガ作品(のちにドラマ化)『きみはペット』が思い浮かぶ。
あのストーリーを見て「こんな彼氏がいたらいいのに」と思った女性は少なくないだろう。

女性にとって「ペットのような彼氏」といえば、相場は犬と決まっている。飼い主に忠実で、甘え上手で、思わず抱きしめたくなるような甘いフェイス。頼りなさは否めないが、自分の思い通りにリードできる恋愛スタイルを望むならば、犬タイプの男がふさわしいはずだ。

猫タイプを好むのは、男性のほうだ。飼い主の機嫌などおかまいなく、気まぐれに甘えたり冷たくしたりするのは、女性の特権といってもいい。猫タイプの男性と恋愛できるのは、ベタベタされるのを好まないクールな女性か、振り回されても追わずにはいられない粘着気質な女性だけだろう。

世の中には、男をペット扱いする女性もいる。
その相手は彼氏とは限らない。むしろ彼氏じゃないからこそ、ペットのような関係になるのかもしれない。

ちょっと人肌恋しい時に呼び出したり、ひとりが寂しいときに連絡する男は、女にとって「放し飼いの犬」みたいなものだ。
そんな都合のいい関係に置けるのは、女に対し従順で噛みついたりしない「犬」でなければ成立しない。

犬扱いされるほうだって大人の男。女にとって自分が本命でないことはわかっている。恋人ではないからこそ、適当にあしらわれても平気でいられる。

本物の犬とは違い、ペット君はトイレのしつけも必要ない。ペット自身が稼いでいれば、差し入れやプレゼントを持参することもあるかもしれない。犬とは添い寝しかできないが、男なら抱くこともできる。

その昔、男友達が酒の席で「俺、飼われてるんだよね」と言っていた。
“ペット”の彼には「月に1~2回呼ばれ、飲みに連れていかれたりホテルに泊まったりする」関係の女性が数名いた。中にはお小遣いをくれる女性もいたという。

もちろん、それぞれの飼い主に「他にも飼い主がいる」ことは内緒だ。
しかし飼い主だって大人の女。独占できない男だとわかっていたから、ペットのような距離感で接していたのではないかとあたしは想像した。

愛する男を撫でたり抱いたり洗ったり躾(しつ)けることは、大型犬を飼育するのと変わらない気がする。
犬のように愛でるのも“ペット扱い”になるとしたら、あたしにとって愛する男はラブラドール・レトリバーみたいなものだ。
だが愛しの「ラブラドール・レトリバー」のほうも、あたしを犬のように可愛がる。これではどっちが飼い主だかわからない。

男を飼っている女たちも、ペット君を愛玩しているのだろうか。
じゃれ合う動物みたいな関係だとしたら、案外どちらも癒されて心地いいのかもしれない。