17.04.07(Fri)

【現代恋愛図鑑】Vol.02 会わなくても恋人同士?~2.5次元恋愛~

島田佳奈

島田佳奈 作家/コラムニスト/AllAbout恋愛ガイド。

豊富な体験と取材から得た“血肉データ”による独自の恋愛観が定評。 『人のオトコを奪る方法』『アラフォー独女の生きる道』他、著作多数。

「会わなくても恋人」の代表格といえば、遠距離恋愛。
しかし今回取り上げるのは別次元。

2次元は平面の世界。3次元は立体。
じゃあ2.5次元は何かといえば「リアルに存在はするが、接点はネットのみ」という関係のこと。

ネットが生活圏に浸透した昨今「出会いのきっかけはネット」というケースも珍しくなくなってきた。出会い系サイトばかりでなく、SNSの普及も拍車をかけている。

私自身、ネットの出会いがきっかけで恋人にまで発展したことも複数回ある。友達まで視野に入れれば「2.5次元」な関係の相手もたくさんいる。しかし、会わないうちに恋人へと進展したことは一度もない。

ひとくちに「2.5次元の恋人」といっても段階はいろいろある。
仮に「メールやチャットのみの繋がり」を第一段階、「電話でリアルな会話をする」のを第二段階、「動画で互いの表情まで見ながらコミュニケーションを図る」のを第三段階とするならば、第三段階は「ほぼリアル」に等しいといえる。

動画レベルのバーチャルになれば、お互い顔も声もわかっている。引きで映せば体型だってわかるし、リクエストすれば身分証明書だって見せてくれるだろう。

「私はこんな女です」「僕はこういう男です」という自己開示は、情報が多いほど信用度を増す。
たとえば婚活サイトなどでは、会わない段階で身分を証明するために、サイト側で運転免許証の画像提出やクレジットカードの入力を促し、証明バッジのようなアイコンをプロフィールに表示させる。

いくらネット時代とはいえ、男女の出会いにおける事件性は皆無ではない。本気度が高いほど慎重になるのは当然のことだ。SNSにおいても、実名登録や日々の投稿をチェックして「リアル」な姿が想像できなければ、恋愛にまで発展するのは難しい。

会わないうちに恋人の契約を交わすのには、いくつかの理由がある。

ひとつは、会うまで待ち切れず告白するケース。海外など「すぐに会うのは難しい」遠距離である場合「他の異性に獲られないよう」フライングでクロージングしてしまうのだ。

実際、そうやって恋人宣言をした人を知っている。しかしそのふたりは、リアル初対面で「会わなければわからなかった」致命的なNGがあったらしく、初デート直後にジ・エンドとなった。
(私にとっても、さほど親しくない「2.5次元の友人」だったため、詳細は聞き出せず)

もうひとつは「バーチャルな恋人」が最適だと判断しているケース。こちらはリア友にいたのだが「会ったら絶対嫌われる」とプロフィール(主に体型)を詐称していたのが真の理由だ。

友人は、写真こそリアルに交換していたが、バストから下は絶対に見せないようにしていた(しかし肩回りの丸みや指の太さから、写真でも太っているのはバレていたと思う)。

ネットというバーチャルな繋がりにおいて、詐欺や詐称を働く人は一定数存在する。しかしリアルで出会ったとしても、詐欺や詐称がないとは限らない。

事実と真実は異なる。自身の信じる世界の中で成立するのならば、ネットの中だけで完結する恋愛だってアリだろう。完全2次元の妄想恋愛ゲームと違うのは、リアルな相手だからシナリオが決まっていないというだけだ。

3次元における生身の恋人とだって、会えない時間のやりとりは2.5次元と同じ。
いつかもっとVRが身近になり、会わなくてもスキンシップまで可能になれば、3次元のデートやセックスも必須ではなくなるのかもしれない。