GLAM Editorial

2015.05.24(Sun)

同性愛者の両親の元に生まれたジョセフィーヌ・スクリバー、自分を「実験」の産物と見る風潮に苦言!

ジョセフィーヌ・スクリバー

 下着ブランド、ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)のモデルを務めるジョセフィーヌ・スクリバー(Josephine Skriver)は、ゲイの父親とレズビアンの母親のもと、体外受精で生まれた。また彼女は家庭環境を隠さずに語ることでも知られている。ありのままの自分を誇りに思う彼女にとって唯一の問題は、自分が普通の人たちより価値がないと世間が考えているところだという。

 「人々が私を見て、体外受精で生まれた子どもだと分かっているなら、普通の人として見てくれたらと思う。他の人たちと同じ、人間として見てくれたらうれしい」と彼女はファッション情報サイト「i-D」の動画で語っている。「『あの女は不自然な形で生まれた』とか、『生まれるべきではなかった』とかよく言われるの。でも私は科学実験の産物じゃないし、人工物じゃない。本物の人間なの。みんなと同じように、ちゃんと存在している」

 ジョセフィーヌの言葉は、ドメニコ・ドルチェ(Domenico Dolce)とステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)のコメントを思い起こさせる。伊高級ブランド、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)の共同デザイナーを務める2人は今年、人工授精法で生まれた赤ちゃんを「人工的な子どもたち」と呼び、各方面から激しく批判された。

 ジョセフィーヌの母親はずっと子どもを望んでいたが、男性と付き合うつもりはなかったため、子どもを持つことは難しいと分かっていた。1992年にデンマークでLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)関連のニュースレターに広告を出し、自分と一緒に子どもを作りたい人がいるかどうか問いかけると、ジョセフィーヌの父親となる男性が最初に返事をし、その9ヶ月後に彼女が誕生した。世間一般にとっては常軌を逸したように聞こえるかもしれないが、ジョセフィーヌは大きくなるまで普通とは違うと感じさせられたことはなかったという。

 「自分のことを誇りに思って成長していたから、誰にもいじめられることはなかった。モデルになっていろんなところを訪れるようになって初めて、世界の他の場所ではそれが受け入れられないのだと気づいたの。憎しみが本当にひどいのはソーシャルメディア。どんな結果になるのかに関係なく、誰もが好きなことを言える場所でもある。『ムカつく、キモい、かわいそうに、信じられない』といったコメントが本当に多すぎる。インターネットやソーシャルメディアでつらいのは、反論ができないところなの」と彼女は説明した。

 だからこそジョセフィーヌは自分の環境について語ることを選び、今の仕事のおかげで場を与えられた以上、活用するのが当然だと思うと説明した。

(C) Cover Media

※写真と記事は必ずしも関連するとは限りません。

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