17.06.04(Sun)

【女子のケモノ道】vol.05 シングルマザーの恋愛白書「どうしてそうなの?」 

宮坂 淑子

宮坂 淑子 DiFa 編集長

1974年生まれ。デジタルとファッションを繋ぐウェブサイト「DiFa」編集長(https://www.difa.me)フリーランスライター、ロッキングオ...

書けもしないのに、見栄を張りたい一心で「今月はたまには偏差値が高そうに思われる(既にここで低さが露呈)ちゃんとした文体で真面目な記事を綴ろうと思って」と担当編集KさんにLINEしたら「宮坂さんはいつもの調子のあの文章でお願いします!」と言われてしまったので、いつもの調子でこんにちは。いつもの調子のあの文章がどんな文章かは良くわからないのですが、vol.02で書きましたシングルマザーの赤裸々恋愛白書の続きを読みたいというリクエストをいただいたので、本日はその続きをお届けしたいと思います。今月は6月なのでブライドイシューってことで!

さて。前回の恋愛白書ではシングル母さんたちが、いかに離婚というダメージを乗り越えて、次なる恋愛へと進もうとしているか、いや進めない。ということをちょっとだけ記してみました。が、日々シングル母さんとして常々疑問に思っていることがあるので、今日はその一つにフォーカスしたいと思います。

シングル母さんたちとよく話すネタが「どうして男は離婚すると礼賛されたり、それがマイナスとされないのだろうか。ってかむしろハクが付く的な扱いをされるが、どうして女はたいてい市場価値が下がったりハレ物的に扱われるのか?」ということ。

この数年周りを観察していると、男たちが離婚すると「えーバツついちゃったんだ、でも経験値あがっちゃった?」とか「あの人離婚するらしいよ、チャーンス!」「あいつ離婚大変だったらしいけど、次はいい相手見つかるだろ(もう既に次の結婚に向けての希望を感じられる含み)」的に世の中にやたらと迎合され応援され労われている。気のせいじゃなく、明らかにされている。さすがにそれがバツ2バツ3と回数を重ねると、ハテ?くらいに思われるだろうが、バツ1くらいだとむしろ、酸いも甘いも知ったO TO KO!的にモテ度がやたらと上がる。

対して、離婚する女たちには「あの人離婚したらしいよ…ザワザワ(なんか問題あんじゃね?という含みと共に)」「子供が可哀想!」(←これ言われるのって、絶対に父親じゃなくて母親の方が言われる率が高いんですね)「離婚大変だったね〜(哀れみと蔑みが入ってる感じ)」はじめ“絶対何か人間的に大きな欠損がある”などとマイナス要因だけあげつらわれたうえ、終いには男でも女でもなく、性別:人。くらいのところまで落とされる。もちろん離婚してもエリザベス・テーラーばりの美女や意味不明に色気のある方、アナウンサーだとかCAだとかいわゆる男子がなかなか手の届かない的な少数トライブに所属する女子だったら話はまた変わってくるだろうが、そこはここでは考えない。だって、だいたいがフツーの女子だから、だ。

さらに、ちょっと政治的な話になってくるので端的に書くことにするが、離婚するときに誰もが区役所だの市役所だのお役所に行って、びっくりすることは、どうやったって法律は男に有利にできている。いや、聞いてはいたけれど、やっぱりびっくりするくらい離婚だ婚姻だという制度は女に優しくない制度になっており、養育費の支払い金額やその支払われ方(支払われなくても勧告するくらいで差しどめにあったりしないようになっている)をはじめ、再婚の場合の養子縁組の戸籍のあり方ほか、わなわなするくらいに女性に優しくない仕組みができあがっているという現実と直面することになる。……詳しくは内田春菊先生のワタハンこと「私たちは繁殖している」をお読みください。すっごくわかりやすく説明されています!

と、物理的制度的にも男たちの何倍もの荒波をいくつも越えて、また恋愛市場という川へと戻ってくるシングル母さんたち。なのに、どうしてこうも冷酷でぞんざいな扱いをされることが多いのでしょうか。

むしろ

1:離婚という世にも恐ろく面倒でヘビィな荒波を越えて、タフになる(タフネス!)

2:離婚という世にも悲しく辛い経験を経て、人に優しくなれる(ジェントル!)

3:離婚という境地に立たされて、女磨きに精を出している(センシュアル!)

4:離婚という経済的危機に立たされて、より一層仕事に励むようになる(マニー!)

と、女子としておいしい要素を兼ね備えられるのだが、世間はノージェンダー扱い。WHY?である。

どうぞ、世間の男たちよ、シングル母さんたちをちょっとはいわたってほしい、労ってほしい、優しくしてほしい。女子として磨きがかかっちゃってるんですけど〜。と思うのは私だけだろうか。いやそうではないはずだ。

……などと中途半端なフェミニズム論を書きながら、そして心の中をフツフツとさせながらPC片手にソファでゴロゴロと「恋がヘタでも生きてます」を見ている私。そしてキュンキュンしている自分に改めて呆れたり驚いたりする。

そうオバさんだって、シングル母さんだって、バカにされずに、恋をしたいのだ。ついでに「やだ!明日はもしかしたら、私もあんな恋ができるかもしれない……」という気持ちの悪いことを考えている自分がどこかにいることを、ここに正直に告白しておく。

妄想も調子に乗りすぎるとアレなので、現実逃避したくなると、カレー沢薫先生のこの2冊を取り出して現実に戻るようにしている。恐ろしく効くカンフル剤です。