16.09.06(Tue)

チェコには秋がよく似合う。“チェコで最も美しい城館”、丘上のフルボカ城へ

藤井麻未

藤井麻未 個性派トラベルライター/元海外旅行添乗員

秘境系旅行会社元添乗員。テーマ性のある個性派旅を得意とする。旅ブログキュレーションメディア、TABIZINE公式ブロガー。海外に日本を発信するメディア、Japan Infoライター。

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世界には様々なお城があります。特にヨーロッパは、ドイツをはじめ古城の宝庫。お城巡りも旅の楽しみのひとつですね。さて、そんな数あるお城の中で筆者が最も心惹かれた、それはそれは美しいお城がチェコ南西部のボヘミア地方にあります。フルボカ城と名付けられたそのお城は、長閑なボヘミアの田園風景を見下ろすように小高い丘上に建っています。今回は、「チェコで最も美しい城館」といわれるフルボカ城へとご案内しましょう。

■ボヘミア貴族の館

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フルボカ城へ至るには、小高い丘の麓にあるバス停から徒歩で丘を登って行きます。この辺りは魚の養殖が盛んな地帯で、見下ろすと食用鯉などの養殖池が点在しているのが分かるでしょう。日の光がキラキラと池に反射して、まるで絵画の中の世界のよう。坂道を上り切ると、そこには美しい緑に囲まれたうっとりするような白亜の城が姿を現します。

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ボヘミア一帯の有力貴族、シュヴァルツェンベルク家の居城であったフルボカ城。ジュヴァルツェンベルク家はドイツ由来の貴族で、カール・シュヴァルツェンベルク侯爵が対ナポレオン戦争で勝利を収めたことからヨーロッパ中にその名を広めた貴族です。

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城の重厚な扉にはカラスが人の頭を突いているおどろおどろしいモチーフが。実はこれはシュヴァルツェンベルク家の紋章のモチーフ。強敵オスマントルコを倒したことを記念して、トルコ人の頭をつつくカラスの絵を紋章にしてしまったのです。遠くから見ると麗しい姿しか分かりませんが、近づいて色々と観察してみると、ちょっぴり不気味なものもあったりします。しかしヨーロッパのお城はその歴史がそうであるように、綺麗なだけではなく少し謎めいていたり不気味な一面があった方が魅力的に映る気がするのは私だけでしょうか。

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■秘密めいたお城の内部へ

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さて、早速お城の門を開け、中に入ってみましょう。フルボカ城の良いところは壮大過ぎないというところ。お城内部への入口も、比較的こじんまりした中庭にある普通の大きさの扉なのです。

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しかし、こぢんまりとした外観とは裏腹に中は複雑に入り組み、見学しているうちにどの辺りにいるのかが分からなくなります。そういったところも、このお城をより神秘的にしています。

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玄関から中に入ると、手の込んだ彫刻がなされた階段を二階に上がるところから見学がスタート。重い扉が閉まると、外界からは完全にシャットアウトされます。静寂に包まれた重厚な空間。まるで本当に貴族の館にお邪魔しに来たかのように感じるでしょう。

フルボカ城見学の気に入っている点は、城内に一度に入れる人数が制限されているため、極めて少人数で城の中を回ることができるというところ。部屋から部屋へと入るごとに、分厚い豪華な扉にはガチャリと鍵がかけられます。どこもかしこも人ごみだらけの城の見学とは全く異なる、静かでプライベートな城の姿を垣間見ることができるのです。
隠し扉や驚くほど豪華な装飾、重厚な造りの部屋、いくつもの秘密の小部屋やサロンが次々と現れ、まるで当時の館にこっそり忍び込んだかのよう。

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(室内撮影禁止のため、パンフレットより)

イタリア製クリスタルのシャンデリア、ブリュッセル製のタペストリー、精巧な寄木細工の床、東洋の陶磁器コレクション・・・目を見張るようなお宝や驚くばかりの豪華な品々がふんだんに置かれた城内の様子は、チェコで最も華麗な城館といわれる所以です。

■秋めく庭園も必見

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見学の最後は、瀟洒な温室を通って外へ出るようになっています。城の側面に回ってよく手入れされた庭園を見てまわるのも良いでしょう。ちょうどこれからの季節は庭園の木々も黄葉しはじめ、ため息のでるような美しい風景を眺めることができます。

■おわりに
チェコという国は一年で秋が最も似合います。清々しい風、秋晴れの空、そして木々が色付きはじめ、古い町並みや古城、長閑な田園風景をより一層惹きたてるからです。フルボカ城の本来の魅力も最大限に味わうことができるでしょう。
訪れる度にその魅力に取り憑つかれてしまうフルボカ城。帰り際に振り返ると、蒼空と木々に白亜の城が映えて、はっとするほど美しい姿が目に焼き付きます。
秋の旅先にはぜひチェコのフルボカ城を候補にしてみてはいかがでしょうか。

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