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16.02.12(Fri)

きっと誰もが虜になる。美しくて哀しい不思議の館へようこそ ~ペナ宮殿 ポルトガル~

藤井麻未

藤井麻未 個性派トラベルライター/元海外旅行添乗員

秘境系旅行会社元添乗員。テーマ性のある個性派旅を得意とする。旅ブログキュレーションメディア、TABIZINE公式ブロガー。海外に日本を発信するメディア、Japan Infoライター。

ポルトガルの首都リスボンの北西、大西洋から約45キロの場所にシントラという街があります。ここはかつてイギリスの詩人バイロンが「エデンの園」とも称した緑多く美しい場所。王族の避暑地として人気を誇り、古来から彼らの別邸が多く建てられていました。

■ペナ宮殿

写真1
Pena Palace. Sintra, Portugal – Travel To Eat

そんな美しい緑の中でひときわ異彩を放っている存在があります。標高500m超の丘上に 聳える突飛なお城、ペナ宮殿です。これを造ったのはポルトガル王フェルディナンド2世。実は彼、あのディズニーランドの城のモデルとして知られている、ドイツ、ノイシュヴァンシュタイン城を造ったルードヴィヒ2世のいとこにあたるのです。そう言われれば、緑に囲まれたロケーションといいどことなく似ているような気もします。

写真2
ノイシュヴァンシュタイン城
Neuschwanstein Castle | Flickr – Photo Sharing!

■奇妙なデザインセンス

ペナ宮殿の魅力はその奇妙なデザインセンスにあります。なにしろ、イスラム、ルネサンス、ゴシックなど時代も国も異なる建築様式がごちゃ混ぜになって存在しているのです。宮殿へ至るまでの間に見え隠れするエキセントリックな姿に高揚をおぼえるのは、テーマパークに心惹かれた子供時代以来かもしれません。

写真3
Palácio Nacional da Pena | Flickr – Photo Sharing!

芸術王とも呼ばれたフェルディナンド2世は、大地震で廃墟と化していた修道院を自らの理想宮殿へと生まれ変わらせようとしました。彼の趣味は非常に変わっていたとみえ、宮殿は数々の謎めいたモチーフやデザインで埋め尽くされています。

・海神トリトン

写真4
Pena Palace (Palácio Nacional da Pena) in Sintra

ペナ宮殿いちのインパクトを誇るのがこのトリトン。ギリシャ神話の海王ポセイドンの息子トリトンが、グロテスクともいえるリアルな描写でデンと構えているのです。

・イスラム建築

写真5 https://www.flickr.com

異教の建築様式だろうが気に入れば何でも取り入れてしまうのがペナ宮殿の面白いところ。玉ねぎ型のドームやアーチはイスラムの建築様式です。

・ワニ

写真6 Pena Palace. Sintra, Portugal – Travel To Eat

古代エジプトの創造神セベクのシンボル。

・絡み合う蛇

写真7 Snakes | Flickr – Photo Sharing!

神秘主義のシンボル。

■哀しき王の苦悩

実はドイツ出身のルードヴィヒ2世は、ポルトガル女王マリア2世の婿としてやってきました。事実上、婿というその立場からついぞ政治的実権を握ることのなかった生涯で、まるで現実から逃れるかのように情熱を傾けたのがペナ宮殿の建築だったのです。結局彼は宮殿の完成を見る間もなく生涯を閉じました。しかし、生前に作った詳細に渡る建築計画のおかげで後の城主たちによって完成させられたのです。

写真8 Palacio da Pena 2 | Flickr – Photo Sharing!

異教のデザインや謎めいた秘密主義のシンボルをもちりばめ、あらゆる建築様式を混在させて出来たペナ宮殿には不安定でいてどこか危うい美しさが漂います。王の苦悩と理想を合わせたかのように不思議な姿で聳え立つ、怪しげで美しく、そして哀しいペナ宮殿。一度訪れてみてはいかがでしょうか。


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“元添乗員の国外逃亡旅行記” http://mamfuj.hatenablog.com/